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転職に有利な資格一覧!役に立つおすすめ資格と取得難易度

転職に有利な資格一覧!役に立つおすすめ資格と取得難易度

転職を有利に進めていくには、やはり各企業の事業にどう貢献できるのか、明確なスキルを提示できることが重要。そこで誰もがわかりやすい評価基準の一つとなるのが、特定分野に詳しい知識やノウハウを持っている証となる資格です。専門性の高い資格を保有していることで、企業側としてもどのような能力がある人材なのか判断しやすく、採用の可否を決める根拠にできるメリットがあります。今回はさまざまな資格があるなかで、特に転職に役立ちやすい種類と、その取得難易度についてご紹介していきます。

資格があれば未経験からの転職も成功しやすい

未経験のイメージ図

そもそも資格取得を目指すことで、どのような効果が見込めるの、まずは簡単に整理しておきましょう。

前述にもあるように、何かしらの資格があることで、具体的にどのようなスキルがあるのか示すことができるメリットがあります。もちろん業務の進め方などは企業ごとに異なりますし、資格があることで、必ずしも実践的な能力に直結するとは限りません。しかし資格取得に向けて勉強するなかで、確かな知識を習得できているのは事実で、その基礎力を存分に活かして活躍できるポテンシャルはあるといえます。

また試験合格を目指して努力できたことは、高い向上心がある証拠でもあります。たとえ実務未経験でも、その資格を活用できる業務に対する意欲的な姿勢を見せることにつながり、採用する企業側からの評価が得られる可能性も高くなります。

【業種別】転職に役立つおすすめの資格13選&取得難易度

資格のイメージ図

ではここからは、実際の転職活動で有利になりやすい、おすすめの資格をいくつかピックアップ。初心者でも取得しやすい初級レベルから、ある程度の学習期間を必要とする中級レベルを中心にご紹介していきます。

【事務職】

まずはオフィスワークの転職で役に立ちやすい資格として、次のような種類があります。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

MOSは、Excel・Word・PowerPointをはじめとした、Officeソフトの取り扱いに関する専門資格です。事務作業に使用しやすいOfficeソフトの操作スキルを示すことが可能。なおMOSは、おもに一般レベルと上級レベルの2つの種類に分かれています。一般レベルの場合、例えばWordの表作成やExcelの関数などの基礎的な操作スキルが中心となり、比較的合格しやすいのが特徴です。上級レベルになると、Wordの索引作成やExcelのマクロなどの高度なスキルが問われるため、詳しい操作などに慣れていなければ自分で勉強して習得する必要があるでしょう。

日商簿記検定

日商簿記検定は、帳簿付けなどの会計実務や財務諸表にもとづく経営分析など、おもに経理業務で活用できる資格です。日商簿記検定は、大きく分けて3級から1級までの段階があります。ちなみに最難関となるのが1級で、取得できれば税理士の受験資格にもなるレベルです。なお大まかな難易度としては、3級では仕訳や記帳などの基本処理、2級では製造業の工業簿記や中小企業の経理全般、1級は会計学や原価計算も含めた高度な知識が求められます。またそれぞれの合格率は、3級で40.7%、2級で22.9%、1級で10.5%となっています(2024年6月時点・統一試験結果)。(※1)

(※1)日本商工会議所「第167回簿記検定試験 受験者データ」

ITパスポート

ITパスポートは、おもに情報セキュリティやネットワークなどの情報技術に関する基礎知識を身につけられる資格です。加えて、コンプライアンスや会計・財務などの経営ノウハウの基本的な部分も習得できます。実践的なスキルというよりは、さまざまなビジネスのベースとなる知識を学ぶ資格で、例えば社内SEとの連携などのバックオフィスで役立ちやすいのが特徴。国家資格ではあるものの、独学でも十分に取得を目指せるレベルの難易度で、社会人の合格率は約53%となっています(2024年7月時点)。(※2)

(※2)IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「統計情報」

医療事務資格

医療事務に関わる資格には数多くの種類があり、日本医療事務協会(JMCA)や公益財団法人日本医療保険事務協会などによる、さまざまな検定を受けることができます。なお医療事務関連の資格があることで、医療費の算定や請求などの業務に役立てることが可能。ちなみに代表的な例として、次のようなものが挙げられます。

  • 医療事務検定試験(合格率90.5%・2022年度)(※3)
  • 医事コンピュータ能力技能検定試験(合格率88.4%・2022年度)(※3)
  • レセプト点検業務技能検定試験(合格率91.9%・2022年度)(※3)
  • 介護報酬請求事務技能検定試験(合格率84.8%・2022年度)(※3)
  • 診療報酬請求事務能力認定試験(合格率30.8%・累計)(※4)

医療事務に関わる資格は、いずれも合格率が高く比較的取得も目指しやすいといえますが、なかには試験実施団体が指定する講座の受講が必須となるケースもあります。

(※3)日本医療事務協会(JMCA)「検定試験合格率」
(※4)公益財団法人日本医療保険事務協会「試験実績」

行政書士

行政書士は、官公庁向けの提出書類作成や許認可申請など、おもに法的な手続きを代行できる国家資格です。法律関連のさまざまな届出などに対応できるため、総務や法務などのバックオフィスで活躍できる専門家でもあります。ここまでに見てきた資格に比べると、かなり難易度は高めで、合格率は13.98%(2023年度時点)(※5)。本格的に試験合格を目指すのであれば、通信講座やスクールなどの活用を検討してみるのもいいかもしれません。

(※5)一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和5年度行政書士試験実施結果の概要」

【営業職】

では次に、営業職への転職でプラスになりやすい資格として、次のようなものがあります。

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営コンサルタントとして活躍できる国家資格で、事業計画の策定などの幅広い経営支援ができる専門家です。中小企業診断士の資格があることで、顧客の経営レベルからの課題解決などに貢献でき、幹部層との交渉や商談に役立てることが可能。もしくは営業職に限らず、経営コンサルティングやM&Aなどの分野で、プロとして実力を発揮していく働き方もできます。ちなみに難易度は非常に高く、2023年度の試験結果では、計2万1,713名のうち合格者数は1,555名のみ。合格率にして、約7%との結果が出ています。(※6)

(※6)一般社団法人 中小企業診断協会「令和5年度中小企業診断士第1次試験に関する統計資料
令和5年度中小企業診断士第2次試験に関する統計資料

ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナーは、さまざまな人生設計にともなう投資や資金計画など、資産に関する幅広い相談に対応できる専門資格です。いわばお金のアドバイザーとして活躍でき、保険会社や証券会社などの金融業界はもちろん、不動産業界などの営業職でも活用できます。ちなみにファイナンシャルプランナーの資格としては、大きく分けて国家資格のFP技能士と、民間資格のAFP・CFPの2種類があります。また国家資格のFP技能士には難易度順に1~3級までの段階があり、民間資格のAFPが2級、CFPが1級に相当。FP技能士3級のみ受験資格がないので、実務経験などに関係なく試験を受けることが可能です。なおFP技能士の合格率は、3級で47.74%、2級で45.17%、1級で16.95%となっています。(2024年5月実施時点)(※7)

(※7)一般社団法人 金融財政事情研究会「試験結果:2024年5月試験」

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産の売買・賃借といった契約業務を取り扱う国家資格です。おもに不動産会社をはじめ、建設会社やハウスメーカーなどの営業職にも役立ちます。こちらも難易度は比較的高く、2023年度における合格率は17.2%。(※8)よく耳にする人気の資格ではありますが、きちんと勉強に集中する学習期間がないと、合格はなかなか難しい専門スキルです。

(※8)一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和 5 年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」

【IT・エンジニア職】

未経験から手に職をつけて活躍したい場合には、人材としての需要が高く、なおかつ比較的取得を目指しやすい技術系の資格もおすすめです。

基本情報技術者、応用情報技術者

基本情報技術者や応用情報技術者は、おもにシステム開発など、IT製品・サービスの構築の基本となるノウハウが身につく国家資格です。基本情報技術者をベースとして、より高度な知識や技能をもとに、マネジメントなどのスキルも求められる上位資格となるのが応用情報技術者に当たります。なお試験の難易度としては、基本情報技術者の合格率が41.7%、応用情報技術者で23.6%。(2024年度時点)(※9)もちろんIT分野を学ぶためのある程度の学習期間は必要ですが、特に基本情報技術者であれば、十分に取得は目指せるレベルといえます。

(※9)IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「統計情報(基本情報技術者試験)
統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験)

危険物取扱者

危険物取扱者は、ガソリンをはじめとした危険物の保存や運搬など、安全かつ適切な処理をおこなうために必要とされる資格です。おもにガソリンスタンドをはじめ、化学工場やタンクローリーといった薬品や燃料などを扱う現場で求められます。例えば、石油関連メーカーや設備管理会社などへの転職にも役立ちます。ちなみに危険物取扱者は、丙種・乙種・甲種の3種類に分かれており、難易度もそれぞれで異なります。なお合格率は、丙種で52.8%、乙種で40.1%、甲種で34.0%。(2024年時点)(※10)こちらも十分な学習期間は欠かせませんが、試験合格を比較的目指しやすい資格です。

(※10)一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況 令和6年4月~令和6年6月」

電気工事士

電気工事士は、住宅やビルなどの各種施設における、さまざまな設備の工事やメンテナンスなどに必要とされる国家資格です。例えば、空調などの設置・配線・点検などのノウハウが身につくので、施工会社やビル管理会社などの転職に活かせます。なお電気工事士は第二種・第一種の2つに分かれており、第一種では商業施設や工場などの大規模工事ができる上位資格となっています。ちなみにそれぞれの合格率は、第二種で約40%、第一種で約35%です。(2024年時点)(※11)

(※11)一般財団法人 電気技術者試験センター「試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験)」
試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)

【福祉系】

先ほどの技術系と同様に、転職市場でのニーズが高いうえに、未経験からでも取得を目指しやすいのが福祉系の資格です。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、入浴や排せつなどの身体介助に必須とされる資格で、取得することで幅広い介護業務に従事できます。ちなみに介護職員初任者研修は、試験合格を目指すものではなく、自治体や民間スクールなどで実施される講習の受講を通じて取得可能です。介護職の入口ともいえる資格で、まったくの未経験から取得できます。

介護福祉士

介護福祉士は、介護現場におけるトップレベルの国家資格で、福祉施設のマネジメントなどにも携わることができる上級者として認定されるものです。未経験からの取得を目指す場合、まずは養成施設に通う必要があります。一定の通学期間は必要となりますが、試験合格率は82.8%と比較的高いのも特徴です。(2024年度時点)(※12)

(※12)社会福祉振興・試験センター「第 36 回介護福祉士国家試験の合格発表について」

まとめ

資格の取得を通じて、特定の分野に精通したノウハウを蓄積しておくことで、仮に未経験でも新たな仕事にチャレンジできる幅を広げることが可能。もちろん実践的な経験や技能も重要ですが、専門性の高い資格があれば、円滑に業務を進められる知識があることを明確に示すことができます。今回ご紹介したように、初心者でも比較的取りやすい資格もいくつかあるので、ぜひ転職に向けたスキルアップの参考にしてみてください。