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夏休みがない会社ってやばい?有休消化はあたりまえ?

夏休みがない会社ってやばい?有休消化はあたりまえ?

年々気候が厳しくなっている夏場に、しっかりと連休が取れる会社だと、なんとなく“ホワイト”な印象に感じますよね。反対に、こうした夏休みがないと、「休暇が取りにくい職場なのでは?」と心配になってしまうこともあるかもしれません。そこで今回は、各企業の夏休み事情について、法的なルールから連休の具体的なパターン例まで解説していきます。

夏休みがなくても法律違反ではない

休暇

学生時代には、当然のように夏休みはありましたが、各企業ではこうした長期休暇はなくても問題ありません。従業員に夏休みを与える法的な義務はなく、実際に、夏場の連休がない企業も多く存在しています。ちなみに企業側に対し、義務付けられている休暇制度として、以下のような規定があります。

  • 週ごとに1日、もしくは4週間を通して4日以上
  • 一定の勤務要件を満たす従業員への有給休暇
  • 従業員申請による法定休暇(産前産後、育児、介護、生理など)

少なくとも上記のような休暇制度が設定されていれば、その他の休日に関しては、各企業の任意で自由に決めることができます。なお夏休みをはじめ、各企業の裁量次第で導入される連休などは、総称して特別休暇と呼ばれています。また各企業で取得できる夏休みは、ビジネスでは、夏季休暇と称されるのが一般的です。

無断で「夏休み=有給休暇」にするのは違法

先ほども出てきたように、夏季休暇があるかどうかは、勤務先によって異なります。もちろん夏休みのような連休を取り入れているケースもあれば、そもそも夏季休暇はない場合もあります。なお社内規定や労働契約上で、夏季休暇が設定されている際には、有給休暇とは別に取得できるのが一般的です。むしろ事前の通知がないまま、社内で定めている夏休みとして、強制的に有休消化させるような行為は違法となります。一部例外もありますが、有給休暇は従業員自身の意思で、自由に取得できるのが原則です(計画年休除く)。例えば「夏休みを取ったら、知らない間に有休日数が減っていた」など、従業員に対して無断で有休消化をさせられるパターンには注意が必要。計画年休のようなイレギュラーもありますが、何の知らせもないまま、勝手に有休消化させることはできません。

夏休みが取れる企業は「約4 割」

夏休み

厚生労働省の調査(※1)によると、夏休みをはじめとした特別休暇を導入している企業の比率は、全体のうち60.3%。なかでも夏季休暇を設定している企業は、41.5%となっています。こうしたデータからもわかるように、夏季休暇を設けている企業は半数にも満たないほどで、夏休みがない職場も決して珍しくはありません。例えば観光・宿泊・小売業など、個人の消費者相手となるサービス業では、むしろ一般的な夏休み期間が繁忙期となります。このように業種などによっても、夏休みが取りやすいかどうかは変わってくるので、転職先選びなどの際には注目してみるとよいでしょう。

(※1)厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」

夏休みが取りやすい業種は?

前述にもあるように、個人向けのサービス業では、一般的には夏休みが取りにくい傾向にあります。その反対に、夏休みのある企業が比較的多い業種として、次のようなデータも出ています。(※2)

  • 学術研究、専門・技術サービス業:64%
  • 情報通信業:57.6%
  • 電気・ガス・熱供給・水道業:54.7%
  • 卸売業(商社など):53.1%
  • 建設業:51.3%

「学術研究、専門・技術サービス業」と聞くと、あまりなじみがないかもしれませんが、高度な専門知識・技術が求められる業種を指します。例えば、研究開発や各種士業(法律事務所、税理士など)をはじめ、コンサルタント・デザイン・広告・作家などが該当します。次いで、夏季休暇を取り入れる企業の比率が高いのは、IT・Web分野の情報通信業となっています。もちろん企業ごとに差はあるので、一概にはいえませんが、上記のような調査結果も参考にしてみるといいかもしれません。

(※2)厚生労働省「就労条件総合調査/令和7(2025)年就労条件総合調査 原表」

夏休みが設定されている場合のパターン例

お盆

夏季休暇の設定方法は、もちろん企業によって異なりますが、よくある代表的なパターンとしては以下のとおりです。

8月にお盆休みが取れる(旧盆)

企業同士で取引する(BtoB)業種や、オフィス系の仕事でかなり多いのが、お盆休みとして夏季休暇が取れるケースです。お盆はご先祖様を供養する日本古来の伝統文化で、古くから根付く風習として、あわせて夏季休暇にする企業も多くなっています。ちなみにお盆は、8月13日(迎え火)・14日・15日(お参り)・16日(送り火)の4日間とするのが一般的。そこでこのお盆期間にあわせて、連休を設ける場合も多々見られます。さらにお盆付近には、国民の祝日となる「山の日(8月11日)」もあります。企業によっては、こうした祝日と連結させて、かなり長めの夏季休暇にする場合も少なくありません。なお2026年度のカレンダーをもとに、想定されるのは、次のようなパターンです。

【パターンA】
通例どおりのお盆休み:8月13日(木)~8月16日(日)★4連休

【パターンB】
祝日とつなぐ夏季休暇:8月11日(火)~8月16日(日)★6連休

【パターンC】
前週の土日休みと連結した夏季休暇:8月8日(土)~8月16日(日)★9連休

2026年度のカレンダーでは、「山の日(8月11日)」が火曜日になるので、特に土日休みだと中途半端な出社日ができてしまいます。そのためなかには、【パターンB】や【パターンC】のように、合間の曜日も休日にして大型連休にすることもあります。

一定期間のうちに個人の任意で連休が取れる

前述のお盆休みのように会社の定休日として一斉に連休にするのではなく、従業員ごとに異なるタイミングで夏休みを取るパターンです。特に年中無休の稼働や営業をしていたり、個人向けのサービス業だったりする企業ではよく見られます。会社全体で休みにしてしまうと、業務がうまく回らなくなってしまうことから、交替制で夏季休暇を取れるようにするケースです。このように、常時ある程度は人員を確保できるようにしておくことで、通常どおりの稼働も夏休みも両立できます。例えば「7月~8月の期間に、任意で○日間の夏季休暇を設定可」というように、個人で業務を調整しながら夏休みにできる場合も。ちなみにこうした夏休みでも、基本的には有給休暇とは別枠となる、特別休暇扱いになるのが一般的です。また夏休みに限らず、個人の任意で休みが取れる特別休暇は、「リフレッシュ休暇」などと呼ばれることもあります。

計画年休として夏休みが設定される

大前提として計画年休とは、正式には「年次有給休暇の計画的付与制度」と呼ばれるものです。各従業員に与えている有給休暇のうち、5日間を除く日数分は、企業側の判断で消化日を割り当てられる制度を指します。仮に「有給休暇10日分」が付与されている場合、少なくとも5日間は、個人の自由な判断で消化できるようにします。この場合、企業側は最大5日間まで、どのタイミングでどう有休消化をするのが決めることが可能です。そこでこうした計画年休を活用して、有給休暇を取得してもらいつつ、夏休みにするパターンも見られます。

このような計画年休が導入されていると、個人的に使える有給休暇の日数は減ってしまいますが、賃金が発生しつつ休める利点もあります。例えば時給制や日給制では、夏休みなどの連休で出勤数が減ると、毎月の給与に影響してしまいます。そこで有給休暇として割り当てることで、給与を維持しながら、リフレッシュにもつながる連休が取れるようにしているケースもあります。

有休推奨日として個人の自由に夏休みが取れる

企業全体としての定休日や特別休暇ではないものの、有休推奨日として、個人的に夏休みが取りやすいようにしているパターンもあります。もちろん有給休暇は、大原則として従業員側の自由に使えるものではありますが、「周りに遠慮してしまって取りづらい」などの場合も少なくありません。そこで会社として、有休消化を促す期間をあえて設けることで、個人の希望で休みやすい体制にしているケースも見られます。当然なが、通常の夏休みのような特別休暇ではないため、連休にした分は有給休暇の日数が減ってしまう一面もあります。ただし夏季休暇を取るも取らないも、個人の判断で調整できるため、業務状況などにあわせて柔軟に休めるのは利点といえるでしょう。

まとめ

夏休みをはじめとした連休がないと、休みが少なく労働環境も厳しそうなイメージを持ってしまうかもしれませんが、実際には夏季休暇のような特別休暇がない企業も多数存在します。夏休みがないからといって、決して「やばい」わけではありません。前述でも触れた厚生労働省の調査では、半数以上の企業では夏季休暇がないというデータも出ているので、どちらかといえば一般的ともいえるでしょう。またここまでに見てきたように、なかには「夏季休暇」との名目ではなくても、リフレッシュ休暇や計画年休など実質的には夏休みが取れるようにしているケースもあります。例えば転職時などで求人票を見る場合には、「夏季休暇がない=休みが少ない」と判断するのではなく、その他の休暇制度まで細かくチェックしてみるのが重要です。新たな職場選びなどの際には、ぜひ本記事も参考に、自分によってよりよい働き方ができる勤務先を探してみましょう。