求人広告などを見ていて、「第二新卒歓迎!」のような文言を目にしたことはありませんか?なんとなく「新卒に近そう」とのイメージはあっても、具体的にはどの範囲までを指しているのか、いまいちピンと来ていない人もいるかもしれません。また新卒入社から比較的早い段階で転職を考えている場合、「結局今の自分は第二新卒なの?」「どれくらいの時期なら問題なさそう?」など、何かと疑問に感じることも多いでしょう。そこで今回は、第二新卒の定義や、転職しやすいタイミングについて解説していきます。
第二新卒は学校卒業後から3年以内
一般的に「第二新卒」に当てはまる範囲としては、学校を卒業して3年以内の若年層を指します。仮に4年制大学の卒業者で考えるなら、現役で入学している場合、22歳~25歳前後の年齢層に該当します。
そもそもですが、「第二新卒」との言葉自体に明確な定義はなく、法的に決まったルールなどもありません。企業ごとに第二新卒の認識には違いがあり、さまざまなパターンも考えられます。また企業によっては、例えば「社会人経験○年未満」「経験社数○社以下」など、具体的な第二新卒の要件を設けているケースも見られます。特に募集要項などに明記がなければ、第二新卒として想定されるパターンとして、次のような目安があります。
第二新卒に当てはまる3つのパターン
第二新卒といっても各企業で考え方は異なりますが、おもなパターンとして考えられるのは、以下の例です。
- 学校卒業後の新卒入社から3年以内
- 社会人経験の有無を問わず学校卒業後から3年以内
- 20代の若手層全般
ちなみに学校卒業後の3年以内に正社員経験がなく、就職活動を続けていたり、アルバイトで勤務していたりする場合には「既卒」と呼ばれるケースも。すでに就職経験があれば「第二新卒」、なければ「既卒」というように使い分けている企業もあります。
また企業によっては、上記にもあるように「20代」なら「第二新卒」としているパターンも。とはいえ、もっとも一般的なのは「学校卒業後の新卒入社から3年以内」との認識で、少なからず社会人経験のある若手を指すことが多いでしょう。
院卒や高卒の場合の第二新卒とは?
ここまでに見てきたように、大学院や高校の卒業者も、新卒入社から3年以内の人材を指すのが一般的です。例えば大学院の現役卒業者なら24歳~27歳、高校卒業者なら18歳~21歳前後の年齢層が想定されます。
ただし高校卒業者の場合、そもそも募集要項で「大卒以上」などの学歴制限に当てはまらないケースもあるため、求人情報の詳細はしっかりとチェックしておきましょう。
第二新卒者が必要とされる背景
第二新卒が求められる大きな要因として考えられるのは、新卒と中途のちょうど中間的な人材が採用できる点にあります。いわば新卒と中途を折衷させた採用ができるメリットがあり、多くの企業であえて第二新卒の人材を受け入れているケースが見られます。なお具体的には、第二新卒者を採用する利点として、次のようなものが挙げられます。
次世代を担う育成枠を求めている
第二新卒とされるのは、一般的には社会人経験3年以内の若手層で、今後の大きな伸びしろに期待しやすい世代でもあります。まだ経験が浅い分、固定観念が薄く新たな社風などにもなじみやすい傾向にあり、比較的柔軟に物事を吸収しやすいのが特徴。新卒者と同じように育てやすく、これからの長期的なキャリア形成を通じて、次世代のコア人材として採用できるメリットがあります。新卒者と同様に、ポテンシャル重視の採用がおこなわれるケースが多く、前向きな姿勢や向上心などの意欲次第で転職しやすい時期ともいえます。
定着人材としての期待
社会人経験がまだ浅いうちに転職する理由はさまざまですが、特に「もっと上を目指したい」などの高い意欲がある人材なら、長期的な活躍に期待できます。また多少でもビジネス経験があることで、本人のなかで働くイメージができている分、新卒時に比べてミスマッチが発生しづらいとも考えられます。新卒者と似たように育成ができるうえに、ある程度の社会人としての理解を持って入社してきてもらえる点では、早期退職にもつながりにくいとも想定できるでしょう。さらに求職者側としても、新卒時の就職活動からさほど年数が経っていないので、その経験が活かしやすいメリットもあります。
教育の負担を軽減しやすい
前述にもあるように、第二新卒なら少なからず社会人経験があることで、ビジネスマナーなどの基礎力が身についていることに期待できます。新卒者に比べて、まったくのゼロベースから教育するわけではなく、基本的な部分は省きながら育成ができる部分も大きな利点でしょう。第二新卒者側としても、例えば電話応対などで戸惑うこともなく、スムーズに業務を覚えていきやすいメリットがあります。社会人として習得したコミュニケーション力など、幅広いビジネスシーンで必要とされる汎用的なスキルをアピールできれば、より内定にもつながりやすくなります。
第二新卒の転職が成功しやすいタイミングとは?
先ほども出てきたように、企業側としても第二新卒者を採用するメリットは多くあり、比較的転職がしやすい段階ともいえます。とはいえ第二新卒として転職するのにも、より適したタイミングはあり、しっかりと見極めながら新たなスタートをきることも重要です。では実際に、第二新卒者が転職するのにベストな時期はどれくらいなのか、以下から詳しく見ていきましょう。
社会人経験者なら入社2~3年が目安
第二新卒としての転職を考えるなら、少なくとも入社2年ほどの社会人経験はあったほうが、次の就職先からの採用にもつながりやすくなります。入社1年未満の段階では、まだ一通りの業務を把握しきれていないケースが多く、基本的なビジネススキルも習得できていない可能性が高いためです。また入社1年未満のように、あまりに短い期間での転職は、「せっかく採用しても早期退職してしまうのでは」といった印象を持たれやすい一面も。ある程度の経験値と、仕事に対する意欲を評価してもらうには、やはり入社2~3年程度が転職時期としての目安といえます。もちろんやむを得ない事情があることもありますが、もし入社から早い段階で「少し合わないかも」などと感じたとしても、転職は慎重に検討するようにしましょう。
4月または10月入社を目指すのが転職時期の狙い目
4月は、3月決算後の年度替わりとなるタイミングで、人事異動や新卒入社が実施されやすい時期でもあります。事業年度の移り変わりに向けて、人事活動も積極的におこなわれやすく、また区切りとして分かりやすい時期のため退職者が増えやすい一面も。こうした背景から、春先は各企業の採用も活発になるので、内定が決まりやすいタイミングです。なお4月入社を目指すのであれば、選考から内定までの流れを考慮すると、1月~3月の間で転職活動をするのが適切でしょう。
もしくは10月も、9月の決算後や夏のボーナス支給後の時期に当たり、人員の入れ替わりが発生しやすいタイミングです。3月決算の企業にとっては、ちょうど下半期スタートの時期でもあり、10月入社を目指した採用がおこなわれやすい傾向も見られます。ちなみに10月入社を前提とするのであれば、7月~9月の間で転職活動を進めていくのがベストです。
まとめ
第二新卒とは、一般的に新卒入社から3年以内の社会人を指す言葉で、育成を目的としたポテンシャル採用枠にもなりやすいのが特徴です。ビジネスパーソンとしての基礎力を活かしながらも、若手としてどんどん新しいことを吸収して成長できる時期でもあり、転職を検討するのにも比較的チャンスの多いタイミングといえます。また今回ご紹介したように、第二新卒の転職は、ベストな時期を見極めることで成功にもつながりやすくなります。ぜひ本記事を参考に、第二新卒ならではの強みを活かしながら、理想の働き方を叶える転職活動をしていきましょう。