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未経験からSaaS営業へ!異業種からの転職を成功させるには?

未経験からSaaS営業へ!異業種からの転職を成功させるには?

「SaaS(Software as a Service)」は、IT化が進んでいる近年、急速に浸透しはじめているビジネスです。例えば音楽・動画などの配信サブスクリプションのように、今や当たり前に活用している、世間一般の身近なサービスとしても大きく広まってきています。そんな確かな市場規模や将来性が見込めるからこそ、今後の長いキャリアに向けて、「新しくSaaS業界に挑戦してみたい!」と考えるのも珍しくはありません。そこで今回は、未経験からSaaS営業への転職を目指すために、知っておきたい基本的なポイントを解説していきます。

未経験からSaaS営業に転職できる可能性は十分にある

未経験者

まずSaaSとは、端末本体にインストールせずに、Web上で利用できるITツール・各種サービスを指します。インターネット環境があれば基本的には場所や端末に関係なく使えるクラウドサービスで、各Webシステムにアクセスして、例えば作業ができたりコンテンツを楽しんだりなどが可能です。

SaaSの代表的な例としては、法人向けでいえば、ExcelをはじめとしたOfficeソフト・ビジネスチャット・Web会議システムなど。その他にも、簡単にアドレスを作成できるGmailなどのフリーメールも、SaaSの一種です。

近年では、デジタル庁で行政機関におけるSaaS導入を推進している背景などもあり、SaaSの需要は年々高まっている状況。また各企業でも、リモートワーク化や幅広い情報共有、次世代への承継に向けたデータ蓄積などさまざまな目的から、業務ツールとしてSaaSを取り入れるケースも増えてきています。

こうしたニーズの高さや今後の成長性もあり、SaaS業界では、人材強化に力を入れている企業も多数。さらなる事業拡大や業績アップを目指して、できるだけ多くの人材を確保できるように、積極的な新規採用に取り組んでいる企業も多く存在します。なおかつSaaS分野は、ここ数年で市場を広げてきた新しいビジネスでもあるなかで、より人員を集めるために幅広い層を対象とする求人が見られやすい傾向も。SaaSの営業職においても、そもそも同じ業界・商材を経験してきた人材がまだ少ないことから、未経験者採用の求人も多く出ています。

このような現状から考えて、未経験からSaaS営業への転職に挑戦するなら、まさに今が大きなチャンスともいえるでしょう。

SaaS営業は大きく分けて3つに分類される

SaaS営業では、厳密にはプロセスごとに3つの部門に分けて、顧客獲得や販売促進に向けた活動を推進します。なお場合によっては、以下の3つの部門に加えて、営業職として集客・広告戦略などの企画から手がけるマーケティングを含める企業も。このように企業によって分類が異なることもありますが、一般的には次の3つの部門を営業職としている場合が多く見られます。

インサイドセールス

インサイドセールスは、電話やメールなどのオンラインツールにて、商材ニーズのある顧客へのアプローチをする内勤営業です。例えば、ホームページや広告からの問い合わせで流入してきた見込み客に対し、オンライン上で現状のヒアリングや情報提供をおこない、本格的な商談につなげるまでの過程を担います。基本的には、見込み客からの成約に向けて、商談のアポイントを取るまでの営業を担当するポジションです。

フィールドセールス

フィールドセールスは、インサイドセールスがアポイントを取った見込み客に対し、契約締結に向けた商談をするクロージング営業です。実際に客先を訪問して、直接的な対面で商談をするケースもあるため外勤営業と呼ばれる場合も見られますが、最近ではWeb会議ツールなどのオンラインで対応している企業もあります。見込み客の課題や要望のヒアリングや、自社商材を通じた解決策・メリットの提案などにより、成約につなげていくポジションです。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、自社商材の成約・導入後において、より効果的にサービスを活用できるようにサポートするアフターフォロー営業です。サービス利用中の段階で、何か新たな悩みや要望がないか定期的にヒアリングをして、今後さらに利便性高く使ってもらえるような提案やアドバイスをしていきます。こうしたアフターフォローを通じて、商材の継続的な契約や新たなサービスへの流入につなげていくポジションです。

SaaS営業への転職で評価されやすいスキルや能力

SaaS営業

SaaS営業では、次のようなスキルや能力を発揮して活躍できる場面が多く、採用時にも重視されやすい要素です。SaaS営業への転職活動時には、以下のようなスキルや能力を十分にアピールできるように、選考に臨むとよいでしょう。

課題解決力

SaaS商材は、さまざまな処理や生産工程など、業務遂行をスムーズにするITツールとして導入されるのが一般的です。自社サービスの機能を通じて、どう顧客のビジネスに貢献できるのか、明確に示すことで成約やリピート契約につながっていきます。そこで重要なのが、顧客の業績アップや業務改善などに向けて、何が課題になっていてどのように解決できるか提案していくことです。ただ顧客のニーズをヒアリングするだけでなく、その要望や悩みに至るまでの課題を汲み取り、自社サービスによる解決策を見出す力が求められます。

傾聴力

自社サービスによる課題解決に向けては、大前提として顧客の要望をじっくりとヒアリングする傾聴力も欠かせません。まずは顧客の置かれている現状を把握することで、自社サービスを検討するに至った課題を見出すことにつながっていきます。本来のニーズを理解しないまま、ただ一方的に提案するだけでは、その顧客にとっては的外れな押し付けになってしまうケースも。きちんと各顧客にとって、確かな効果や利益が得られる商材であることを示すためにも、相手の求める情報を提供できるようなヒアリングも重要です。

主体性・リーダーシップ

SaaS営業では、顧客獲得までの流れを一定の工程ごとに分けて、それぞれが各プロセスに専念して効率的に売上アップを目指していきます。インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスというように、各部門で異なる工程を担いますが、お互い積極的に情報共有をして連携を図ることが重要。他の部門のメンバーに対して、アプローチ策や提案方法などのアイデアを発信していくことで、相乗的に営業としての成果につながりやすくなります。「もっとこんなふうにしてみよう」というように、自ら主体的に行動したり、リーダーシップを取って仲間を巻き込んだりする力も大切です。

論理的思考(ロジカルシンキング)

SaaS営業では、例えば飛び込みやルートセールスのような、親睦を深めて顧客との関係性を築いていく営業スタイルはあまり見られません。基本的にはマーケティング部門による分析結果や顧客の動向データなどをもとに、「○○の場合は△△のアプローチで成約しやすい」というような、仮説を立てながら営業を進めていきます。また自社サービスのご案内や利用中のフォローでは、各商材をどのように導入・活用することで、どういった利益や効果をもたらすのか明確に示す必要があります。いずれにしても論理的思考を通じて、より成果につながりやすい筋道を立てたり、わかりやすく説明したりする能力が重要です。

協調性・コミュニケーション能力

SaaS営業では、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスというように、各工程で分かれながらも互いに連携して顧客獲得を進めていきます。それぞれの部門がきちんと情報共有をしながら、なおかつ次のプロセスが無事に成功するような状態で引き継ぐことで、よりスムーズかつ成果の出やすい営業につながっていきます。単純に自分の役目だけ果たすのではなく、仲間同士のチームワークを意識する姿勢も欠かせません。各部門の営業活動から好循環が生まれるような、協調性やコミュニケーション能力も必要です。

異業種からSaaS営業への転職を叶えるためのコツ

SaaS

では実際に異業種からSaaS営業へのチャレンジに向けて、きちんと採用につなげていくために知っておきたい、転職活動の進め方のポイントをご紹介します。

転職にともなう長期的なキャリアビジョンを明確にしておく

特に未経験からの転職では、なぜその志望する企業やSaaS業界でなければならないか、説得力のある根拠を示す必要があります。仮にSaaS業界の経験者であれば、「今までに培ってきたノウハウを活かしたい」など、即戦力として活躍したい姿勢を志望動機としてアピールできます。一方で未経験の場合は、そもそも新たにSaaS業界にチャレンジしたい明確な理由がないと、入社後の成長や定着などのポテンシャルが見込めずなかなか採用にならない可能性があります。そこで未経験からの転職では、3年後や5年後など何年か先まで見据えたキャリアビジョンを立てたうえで、志望動機や自己PRに盛り込むことでアピール度が高まります。はっきりとした長期的なキャリアビジョンがあると、企業側としても人材の意欲や活躍のイメージが見えやすくなるため、採用につながりやすくなります。

今までの経験や実績を振り返って自己分析を深めておく

自らの強みをしっかりとアピールできるように、まずは入社後どう活躍できる人材なのか、自分自身の能力やスキルを明確に理解しておくことも重要です。前職は業務上でどのような実績を出してきたのか、どういった部分が評価されてきたのか、今までの振り返りをしてみることも大切。こうした過去のエピソードから、自分自身の強みが見えてくることも多くあります。未経験から新たにSaaS営業への転職を考えるなら、志望する企業に自分がどう貢献できる人材なのか、しっかりと自己分析をして強みを示すことで採用につながっていきます。

IT分野の基礎知識を身につける

SaaS営業の採用選考にあたっては、やはりIT分野の基本的な予備知識は持っておくのがベストです。場合によっては、面接時に専門用語などが出てくるケースも。きちんと話を理解して、的確な回答をする意味でもIT分野の基礎知識は欠かせません。また志望動機や自己PRなどを考える際にも、IT分野の基礎知識があることで、SaaS営業への転職に適した内容に仕上げやすくなります。採用選考への準備として、IT分野の基礎知識は自分なりに身につけておくとよいでしょう。

まったくの未経験なら年齢の若いうちがチャンス

SaaS営業で取り扱うような、無形商材や法人営業の経験がない段階からの転職を考えるなら、できれば年齢の若いうちに動き出すのがおすすめです。まったくの未経験となると、入社後から習得すべきスキルや知識も多くなりやすく、当然ながら育成の期間も長くなりやすくなります。そうなると現役としての育成期間が取りやすい若手のほうが、じっくりと時間をかけて活躍人材として育てやすく、採用されやすい傾向にあります。もし完全な未経験からSaaS営業に挑戦したいのであれば、なるべく早めから転職活動を進めていくのが無難でしょう。

まとめ

SaaSは、まだまだ広まってきたばかりの比較的新しいビジネスで、今後の高い需要や成長性も見込める分野です。こうした背景から、未経験者も含めて幅広い層から人材を確保している企業が多く、新たに挑戦できるチャンスも十分にあるといえます。「未経験だけれど少し興味はある」などの場合には、まずは業界情報や求人サイトを見ながら、自分のキャリアプランが実現できそうかイメージしてみるのもよいでしょう。未経験からSaaS営業を目指したい時には、ぜひ本記事も参考にしつつ、どう転職活動ができるのか検討してみてください。