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人間関係が理由で転職したい!会社を辞めたくなったら?

人間関係が理由で転職したい!会社を辞めたくなったら?

生活の軸として長い時間を過ごすことになる職場で、やはり無理なく続けていくための大切な要素となるのは人間関係です。仕事上の人間関係が少しでも気になりだすと、どうしても大きなストレスに感じてしまい、「いっそ会社を辞めたほうがいいのかも……」など悩んでしまう場合もあるでしょう。もちろんあまりに心身の負担になっているようであれば、退職するのも一つの方法ではありますが、その前に考えられる解決策もいくつかあります。そこで今回は、人間関係で困っている時の対処法や、転職を考える際に押さえておきたいポイントを解説していきます。

職場の人間関係で悩んだ時の対処法

人間関係に悩むビジネスパーソン

当然ながら社会で働くうえでは、世代や価値観なども異なる者同士が集まるなか、人と人との関わり合いのもとで仕事を進めていくことになります。互いの意見や認識などの相違が生まれるケースもあり、こうした考え方の違いから、人間関係がうまくいかないと感じることも出てくるかもしれません。このように、もし人間関係で悩んでしまう時には、次のような対策をしてみることで解決につながる場合もあります。

本当に人間関係だけがストレスなのか考え直す

まず職場の人間関係が気になる時には、自分の現状を見つめ直してみることからはじめてみましょう。現職で大きなストレスを感じている場合、単純な人間関係だけでなく、他にもさまざまな要因が絡んでいる可能性もあります。

例えば、人間関係の悩みにつながりやすいパターンとして、次のような例も考えられます。

  • 「業務量が多い」などの仕事自体に疲弊していて、周りとのコミュニケーションがうまく取れていない
  • 給与などの待遇や勤務時間といった労働条件に不満があり、その不平感が周囲への態度に出てしまう
  • 「仕事の分担に偏りがある」など、業務や案件の割り振りに問題があり、上司に不信感を抱いてしまう

職場の人間関係に悩む時には、大前提としてなぜ今の状態になっているのか、原因を探ることで解決の糸口が見つかることも。仮に上記にもあるように、「根本的には業務そのものに不満がある」というケースでは、担当する量や範囲を変えることで人間関係が気にならなくなることもあります。もしくはそもそも社内のコミュニケーション不足で、お互いに認識の齟齬があり、うまく人間関係が構築できていないなどのパターンも。今一度、自分にとっての職場におけるストレス感を分析してみましょう。

信頼できる人に話を聞いてもらう

自分自身だけで悩みすぎてしまうと、どんどん煮詰まって視野が狭くなり、うまく解決策を見つけられなくなってしまうことも少なくありません。もし一人で悩みを抱え込んでいるのであれば、信頼できる家族や友人・知人などに話を聞いてもらうのもおすすめです。たとえ職場に関係ない相手でも、自分の悩みを話すことで、客観的な視点からの意見や気付きが得られるケースもあります。職場の先輩や同僚に相談できそうなら、思い切って打ち明けてみる方法も。場合によっては、社内の仲間からのアドバイスにより、ベストな対処法が考え付くこともあります。また明確な解決策ではなくても、先輩や同僚に悩みを聞いてもらうことで、例えば苦手な相手とのやり取りを仲介してくれるなどのフォローをしてもらえる可能性も。どうしても職場の人間関係に困っている時には、頼りにできる身近な相手に助けを求めることも検討してみましょう。

社内の専用窓口や人事などに相談する

もし社内にカウンセリング対応や、ハラスメント対策などをおこなっている窓口があれば、一度活用してみるのも一つの方法です。社内の近い存在に相談しにくいケースでは、社内の専用窓口や人事などの管理部門に頼ることで解決できる場合も。例えば配置換えや部署異動など、現状の人間関係から離れる対処法を検討してもらえる可能性もあります。また明らかに上司などに問題があれば、その相手の配属先を変更してもらえるパターンも。離職しなくても、社内にいながら現時点で置かれている人間関係そのものを変えられることもあります。

外部の相談窓口を活用する

身近な人や社内で相談するのが難しければ、公的機関などの外部の相談窓口を使ってみる方法もあります。例えば全国各地の各都道府県労働局や労働基準監督署では、「総合労働相談コーナー」という専用窓口を設け、職場に関するさまざまな悩みに対応。職場内での嫌がらせやパワーハラスメントといった、人間関係の問題にも対応しており、場合によっては社会保険労務士などの専門家によるあっせんもおこなっています。あまりに悪質ないじめなどの人間関係の悩みがある際には、こうした専門機関を活用してみるのも一つの手です。

苦手な相手を分析してみる

仮に職場に苦手だと感じる相手がいて、人間関係に悩んでいる際には、よく観察してみることで解決策が出てくる場合もあります。例えば、その苦手な相手と仲がいい人とのやり取りをじっくり見てみると、どのような接し方を好むのか傾向が見えてくることも。そしてその苦手な相手との関わり方を変えることで、人間関係が改善されたり、気にならなくなったりするパターンもあります。もし特定の相手との関係性に悩んでいるのであれば、自分自身の接し方を変えることで、状況がよくなる可能性も考えられます。

仕事上の付き合いだと割り切って考える

もし人間関係以外で、現在の職場に大きな不満がなければ、自分のスタンスを見直してみるのもいい方法でしょう。どうしても一度でも職場の人間関係が気になってしまうと、そこばかり目に付いてしまいがちです。そんな時こそあらためて視野を広げて、人間関係だけに悩みすぎないように割り切って考えることで、ストレス感が軽減されることも。もちろん、ある程度のコミュニケーションは必要ですが、あくまで業務上だけの付き合いだと考えれば気持ちが軽くなるケースもあります。どことなく態度が悪かったり冷たくあしらってきたりする相手がいても、成果を出すことを優先して業務に集中してみると、さほど気にならなくなる場合も少なくありません。またプライベートが充実していると、仕事以外の楽しみがあることで、職場の人間関係が飲み込みやすくなるケースもあります。こうしてビジネスライクに徹するのも、職場の人間関係で悩みすぎないための対策になります。

転職を検討してみる

やはりどうしても人間関係の悩みを改善できそうな余地がなければ、転職して環境を変えてみるのが効果的です。すぐに本格的な転職活動をはじめなくても、例えば求人情報を見て新たに活躍できそうな職場の目星を付けておくだけで、気持ち的にも余裕ができます。「今の会社にこだわらなくても問題ない」というように、次のステップに進む可能性も視野に入れておくことで、焦らずに冷静な判断がしやすくなります。「ベストな勤務先が見つかるまでは続けて、いざとなったら転職しよう」など、まずは落ち着いてじっくり検討してみることが重要です。

人間関係を理由とする転職者は約1割

厚生労働省による調査では、2023年度の転職者のうち、男性では9.1%、女性では13.0%の人が「人間関係が好ましくなかった」との理由から前職を辞めていることがわかりました。男女で平均すると、約1割は人間関係を背景として転職していることになります。決して多くはないかもしれませんが、人間関係から転職する人も一定数は存在しており、職場を変えるのは悩みを解決する有効な方法ともいえます。

あまり現職の人間関係に悩みすぎてしまうのは、精神衛生上の危険性が高く、場合によっては心身の不調をもたらす可能性も。職場の苦悩を我慢し続けていることで、精神疾患や体調不良を引き起こすリスクもあります。日常生活に大きな支障をきたしてしまう前に、転職を考えるか、あるいは休職を検討するのも視野に入れておくとよいでしょう。

(※1)厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」

人間関係を理由に転職する際に気を付けておきたいポイント

転職先選びのイメージ図

人間関係をきっかけに転職する際には、どうしても「早く現状から抜け出したい」などのマイナスな気持ちもあり、どうしても焦りが出てしまいがちです。転職によって、自分にとってより最適な環境で働くためにも、以下のようなポイントをしっかりと意識しておきましょう。

まずは自分の状況を整理してみる

ここまでに見てきたように、職場の人間関係の悩みを解決する方法はいくつもあります。まずは本格的な転職活動に入る前に、本当に現職を辞めるべきなのか、十分に分析してみましょう。

たとえ人間関係に悩みはあっても、基本的には自ら志望して入社した勤務先であれば、何かしら続けてきた理由はあるはずです。自分が求める勤務先の希望条件と現状を比較してみて、もしマッチする部分が大半を占めるのであれば、辞めずに続けてみる選択肢も視野に入れておくと無難。さらに自分のなかで人間関係の優先度が低く、その他の利点となる要素が現在の職場に多くありそうなら、例えば時期を決めて続けてみるのも一つの方法です。「1年後に○○になっていなかったら転職しよう」など、少し落ち着いて考える期間を設けてみるのもいいかもしれません。安易に勢いだけで転職するのではなく、きちんと冷静に検討するようにしましょう。

前向きな転職理由を探す

人間関係の悩みをきっかけに職場を変えたいと考えたとしても、なるべくプラス志向の転職理由も探しておくのがベスト。応募時の志望動機にもできるうえに、なるべくポジティブな姿勢で新たな職場を検討したほうが、きちんと先を見据えた転職先が見つかりやすくなります。人間関係だけでなく、例えば担当業務やポジションに物足りなさを感じている場合。転職をきっかけに、もっと規模の大きいプロジェクトに関われたり、マネジメントなどに挑戦できたりする仕事にチャレンジして、レベルアップを目指す道もあります。また「もっと評価されたい」などの希望があれば、より正当に実力を認めてもらえる職場を探してみるのもよいでしょう。単純に悩みを解決する目的だけでなく、「こんな自分になりたい」など、理想の将来像の実現に向けて転職先を考えることも大切です。

なるべく現職を続けながら転職活動をするのがベスト

どうしても続けるのが難しい状態でなければ、収入面の安心感を考えるなら、今の職場で働きながら転職活動をするのがおすすめです。いざ退職してしまうと、経済的にも不安になりやすく、焦って次の職場を決めてしまうケースも。十分に転職先の情報を調べないまま、内定が出て即入社してしまうと、「前職と同じように人間関係が合わない」「思うような働き方ができない」などの事態が起きるリスクもあります。また実際に転職活動をしてみて、他の企業での働き方と比べてみると、実は現職がベストな可能性も。きちんと企業研究や自己分析などの準備をして、転職活動を進めるためにも、現職を続けつつ長い目で見ながら次の職場を決めていくのが無難です。

転職先の社風もしっかりとリサーチしておく

人間関係を理由に転職する際には、次の職場の社風が自分に合っているのか、あらかじめしっかりと調べておくことも重要。いざ転職できたとしても、職場の雰囲気などに違和感や疑問があると、結局はまた同じように人間関係で悩んでしまう可能性があります。例えば口コミなどを活用して、リアルな実情を調査しておくなど。もしくは面接時に社内でのコミュニケーションについて聞いてみたり、職場見学があれば積極的に参加してみたりもいい方法です。ちなみに評価の仕組みや基準が明確になっている職場では、上司の主観ではなく客観的な判断をしてもらいやすく、人間関係にも悩みにくい傾向にあります。こうした社内の評価制度や人事考課などについて確認してみるのも、事前に社風を知るための材料にできます。

まとめ

人間関係に悩んでしまうと、どうしても会社を辞めたい気持ちが強くなってしまいますが、まずは自分の状況を見つめ直してみることが大事。今回ご紹介したように、今の職場を辞めずに解決するさまざまな方法もあります。とはいえあまりに耐えすぎるのも、心身の不調につながる大きなストレスになりかねないため、どうしても対処が難しい場合には転職も視野に入れて検討してみましょう。また転職を決める際にも、焦って次の職場を探すのではなく、落ち着いて十分にリサーチしながら検討していくのがベスト。人間関係の悩みをきちんと解消しつつ、後悔のない転職ができるように、次のステップに進むための準備もしっかりと進めていきましょう。