TIPSお役立ちコンテンツ

【保存版】時短勤務とは?いつまで適用?制度を徹底解説

【保存版】時短勤務とは?いつまで適用?制度を徹底解説

特に共働きが浸透してきている昨今、子育てや家事など家庭と両立しながら働くスタイルも多く見られるようになってきましたが、やはりお子さんが小さいうちはなかなか難しいもの。保育園の送り迎えなどの事情を考えると、フルタイムでの勤務はしづらい場合も少なくありません。そこで活用したいのが、一般的なフルタイムよりも短い労働時間で働ける、子育て世代向けの時短勤務の制度です。今回は、おもに育児にともなう時短勤務について、適用されるために必要な条件や利用時の注意点などを解説していきます。

時短勤務はおもに育児をする労働者の法律上の権利

小さな子どものいるファミリー

時短勤務とは、正確には「短時間勤務制度」と呼ばれる、子育てしながら働く労働者を支援する措置として国によって定められたものです。おもに育児をともなうフルタイムの労働者に対し、通常の所定労働時間から短縮して働くことができる権利として、育児・介護休業法で規定されています。

この短時間勤務制度は、労働者を雇用する事業主には、従業員が正式に利用できる社内ルールとして定めたうえで運用しなければならない義務があります。つまり事業主には、短時間勤務制度の導入が法的に義務付けられており、従業員からの希望があれば適用しなければなりません。

一定の要件を満たす必要はありますが、育児中かつ元々フルタイム勤務の場合には、申請すれば必ず時短勤務にできるのが原則です。

ちなみに育児・介護休業法では、「短時間勤務制度」との名称は付けられていませんが、家族の介護にともなう所定労働時間の短縮措置のルールもあります。いずれにしても、各企業の独断で拒否するなどの行為は、法律として認められていません。適用要件に当てはまるのであれば、基本的には誰もが利用できる制度です。

時短勤務はいつまで可能?

時短勤務の適用要件の一つとして、「3歳に満たない子を養育する」との項目が設定されています。要するに時短勤務が適用されるのは、お子さんが3歳になるまでの期間となります。厳密には、「お子さんが3歳になる誕生日の前日まで」を上限として、法律上の短時間勤務制度が適用されます。

ちなみに育児・介護休業法では、3歳から小学校就学前までの子どもを育てる労働者の時短勤務は、各事業主には努力義務があるものとしています。そのため企業によっては、3歳を超えてからも時短勤務ができる、社内独自の制度を導入している場合も。法的には3歳になるまでは希望次第で時短勤務ができるものとしていますが、お子さんがそれ以上の年齢になった時のルールは、企業によって異なります。時短勤務を希望する際には、あらためて社内の人事部や就業規則などを確認してみましょう。

時短勤務の適用には一定の要件を満たす必要がある

子持ちのビジネスパーソン

前述にもあるように、時短勤務の適用にあたっては、お子さんの年齢以外にもいくつかの要件が設定されています。では具体的に、どのような要件を満たす必要があるのか、簡単に整理して見ていきましょう。

<時短勤務の適用要件>
[1]3歳になる前の年齢の子どもを育てている
[2]元々の所定労働時間が1日6時間を超えている
[3]適用期間中に育児休業を取得していない
[4]1日単位の単発の労働者でない
[5]労使協定による適用除外項目に該当しない

時短勤務が適用されるためには、上記すべての適用要件を満たすことが求められます。

法律上の時短勤務では、1日の所定労働時間を5時間45分~6時間に短縮できることを原則としています。そのため通常時の所定労働時間が6時間以下の場合には、法的な時短勤務は適用されないので注意しましょう。

ちなみに上記の適用要件に当てはまるのであれば、雇用形態に関係なく時短勤務は可能です。正社員だけでなく契約社員や派遣社員も含まれる他、1日6時間を超える勤務をしていれば、パート・アルバイトでも適用されるので覚えておきましょう。

また[5]に挙げられている「労使協定による適用除外項目」とは、おもに次のような内容を指します。

<労使協定による時短勤務の適用除外項目>
[1]雇用されて1年未満の場合
[2]週の所定労働日数が2日以下
[3]業務上のやむを得ない状況から時短勤務の適用が難しい場合

例えば入社してまだ日が浅かったり、そもそも勤務日数が少ない労働契約では、時短勤務が適用されないケースも。なお[3]の業務上困難な場合には、フレックスタイム制などの代替措置を設けるのが義務とされており、時短勤務以外で対応しているパターンもあります。

このように時短勤務の適用に向けては、さまざまなルールも設けられているので、自分自身の状況にも当てはまるのかチェックしてみてください。

時短勤務を利用する際に注意しておきたいポイント

赤ちゃんとママのイメージ図

では実際に、時短勤務の制度を活用して働き方を調整したい場合に、あらかじめ気を付けておきたいポイントも解説していきます。

勤務条件によっては適用されない場合もある

先ほども出てきたように、時短勤務を利用する際には、労使協定が定める除外項目に該当してしまうと適用が認められない可能性もあります。ちなみにこの適用除外項目の有無は、企業によって異なるため、事前に就業規則などを確認しておくのが無難。例えばA社では入社直後から時短勤務ができても、B社では適用されないなどの場合もあるため、自分自身の勤務先における適用要件もきちんと把握しておきましょう。

時短勤務をしている期間中は給与が下がる可能性も

時短勤務中の給与に関しては、通常の所定労働時間よりも短縮された分に限って、賃金を支払わないことが法的に認められています。例えば所定労働時間を1日8時間から6時間に短縮した場合、仮に時給制であれば、2時間分の賃金はカットされる可能性も。もしくは月給制で1日8時間から6時間に短縮されるとすれば、時短勤務によって総労働時間は通常時の75%になり、25%分は減給になるケースも想定されます。

もちろん企業によっては、時短勤務前の給与から変動しないこともあり、会社ごとにルールは異なります。もし収入面で不安がありそうなら、時短勤務時の給与形態も、あらかじめ就業規則などで確認してみることをおすすめします。

臨機応変に工夫しながら業務を進める必要がある

時短勤務になれば、当然ながら業務に充てられる時間も少なくなるため、通常時とまったく同じように仕事を進めるのは難しくなりやすい一面も。きちんと注意しておかないと、時短勤務にしているにも関わらず、結局は残業になってしまうなどの事態が起きる可能性もあります。例えば、周りの同僚や先輩に協力してもらって業務を分担したり、優先順位を考えながら状況次第では後回しにして早めに上がったりなど。適切な業務量に調整できるように、周囲にも相談しながら工夫することも大切です。しっかりと仲間からの理解も得られるように、できれば事前に根回ししておくのがベストでしょう。

まとめ

時短勤務は、正式名称では「短時間勤務制度」と呼ばれる法的に定められた制度で、子育て中の労働者に認められている権利でもあります。いくつかの適用要件はあるものの、きちんと該当していれば、正社員に限らずパート・アルバイトなども含めた幅広い雇用形態で活用することも可能。もし「育児しながらフルタイムで勤務するのは厳しそう……」などの不安を感じるのであれば、時短勤務の制度を活用してみることも検討してみましょう。