新しい仕事先を探している時など、ふと目にした求人情報のなかで、「オープニングスタッフ募集」と書かれているのを見かけることも珍しくありません。言葉のとおりオープニングスタッフは、新規店舗などの開始時から勤務する人材で、場合によっては「スターティングメンバー」などと称されるケースも。新たなお店などの立ち上げ期から活躍するオープニングスタッフには、さまざまな働く魅力もあります。そこで今回は、オープニングスタッフの求人に応募するメリットをはじめ、覚えておきたい注意点や志望動機の書き方などを解説していきます。
まっさらな職場で働けるオープニングスタッフではメリットも多数!
オープニングスタッフは、一般的には、新しい店舗や拠点などの開業に向けて募集されます。オープニングスタッフの求人は、飲食店や小売店(量販店や専門店など)といった、サービス業で募集されやすいのが特徴です。また近年では少子高齢化や共働き傾向などの影響もあり、介護施設や保育施設をはじめとした福祉関連のオープニングスタッフ求人も。その他には工場・物流倉庫などの現場作業系や、ごくまれに新支店の事務職・営業職というようなオフィス系の求人が出ていることもあります。
なおオープニングスタッフの求人は、アルバイトやパートの雇用形態でよく見られます。また複数拠点を展開しているチェーン店での募集が多く、新規店舗の責任者となる社員や店長は、基本的には他の既存店・本社などから配属されます。とはいえ数ある求人のなかには、「オープニング店舗の店長候補」など、管理職への昇格を前提として採用しているケースもあります。
では実際に、こうしたオープニングスタッフの求人では、どのような働く魅力があるのか見ていきましょう。
未経験でも採用されるチャンスが多い
新規店舗の開店時などには、基本的に人員もゼロの状態となるので、できるだけ多くのスタッフを集める必要があります。そのため通常の求人に比べて、オープニングのほうが確保すべき人員も増えやすく、採用の間口も広くなりやすい傾向が見られます。特にアルバイトやパートのオープニングスタッフでは、なるべく募集人数が集まりやすいように、これまでの経験などにかかわらず採用しているケースも多数。例えば学生さんの初アルバイトなど、未経験からチャレンジしやすいのも特徴です。
しっかりと準備を整えてから現場デビューがしやすい
例えばスーパーやレストランをはじめ、多くのチェーン店でのオープニングスタッフは、実際に働く拠点の営業開始前から研修に入るのが一般的です。既存の他店舗にて実際の現場をあらかじめ経験する場合もありますが、本社や営業開始前の店舗で、基本中の基本から丁寧に研修してもらえるケースも多数。忙しい合間で教えてもらうのではなく、きちんと研修に集中して仕事を覚える期間が設けられる場合も多いため、安心して現場デビューしやすい利点もあります。「いきなりお客様の前に出るのはハードルが高いかも」などの際にも、万全の教育体制が整ったオープニングスタッフなら、無理なくスタートしやすいでしょう。
給与が高いことも多く待遇が手厚くなりやすい
オープニングスタッフの募集では、まずは人数を揃えるためにも、少し高めの給与が設定されていることも多々見られます。また多くの人員確保に向けて、シフトの融通が利きやすくなっていたり、祝い金などの特典が設けられていたりするケースも。特にシフトに関しては、アルバイトやパートなら、短時間や少ない日数から働きやすい求人も多数出ています。「できるだけプライベートを優先したい」など、希望の勤務条件がある時には、オープニングスタッフの求人を探してみるのもおすすめです。
仲間意識が生まれやすい
オープニングスタッフでは、基本的に一緒に勤務するメンバーは、ほぼ同じスタートラインから働き出すことになります。もちろん店長などの責任者はいるものの、同じ現場に入る仲間は同期となるため、フラットな人間関係になりやすいのも特徴。先輩・後輩の上下関係がなく、また同じような経験をともに積んでいくことになるので、年齢などに関係なく仲間意識が高くなりやすいのも魅力です。職場内の一体感が生まれやすいうえに、オープニングスタッフとして働いたことがきっかけで、プライベートでも付き合うほど仲良くなれる仲間ができるチャンスもあります。
新しい拠点や店舗を盛り上げていくやりがいがある
新しい拠点や店舗では、例えば効率的な作業の進め方など、実際の業務を開始してみないとわからない部分も多く出てきます。いわば仲間同士で手探りの状態から、仕事の回し方や販促・集客活動など、少しずつ検討していくことになります。よりよい運営に向けて、さまざまな試行錯誤をしていくため、いろいろなチャレンジがしやすい一面も。その職場内での経験値は、どのメンバーも同じレベルになるため、一人ひとりの意見や提案が通りやすい利点もあります。このように新たな職場の立ち上げ段階から、今後を盛り上げていくための取り組みに貢献でき、自分自身が仕事の役に立っている実感を持って活躍しやすいのも魅力です。
きれいな環境で働くことができる
オープニングスタッフとして働く職場は、当然ながら内装や設備なども新しく、長年の汚れなども溜まっていないきれいな環境となります。清潔感のある作業場や店内で勤務できるので、快適に働きやすいのもメリット。また新しくできた職場では、例えば業務に使う端末など、最新設備が導入されていて便利に働きやすい場合も多く見られます。心地よく仕事ができる環境面に期待できるのも、オープニングスタッフの利点です。
オープニングスタッフは「やめとけ」といわれる理由は?
オープニングスタッフは、新しくスタートする環境で働くからこそ、あらかじめ注意しておきたい部分もいくつかあります。オープニングスタッフへの応募を考える際には、次のような点も考慮して検討しておきましょう。
忙しくなりやすく想像以上に大変に感じる可能性も
特に新規オープンする飲食店や小売店は、すでに近所で話題になっていて、営業開始時に客足が集まりやすい一面もあります。さらに集客に向けた、開店セールやキャンペーンを実施するケースもあり、開業したばかりで多くの来客数になることも。そうなると、どのメンバーもまだ慣れていない段階で、かなりの業務量をこなさなければならないことも考えられます。また状況次第では、新規開業までの手配が間に合っておらず、急ぎでオープンまでの準備をしなければならないことも。場合によっては、必要以上の出勤を求められる可能性もあります。もちろん勤務先ごとに異なりますが、思っていたよりも大変に感じるかもしれない点も、想定しておくと無難です。
各拠点・店舗の運営方法が定まっていない場合もある
大まかな作業工程や職場内のルールというような、ある程度の運営方法は決まっていても、各業務の細かな進め方などは実際に営業してみないと定まりにくい部分もあります。定型化・マニュアル化されていない作業が発生しやすく、何かわからないことがあれば、その都度社員や店長などの責任者に確認しなければならない場面も。また仲間同士で相談し合いながら、手分けして業務を回していく必要が出てくるケースも想定されます。一人で黙々と進める作業や、きちんとルーティン化されている仕事がしたい場合には、オープニング段階では少し負担に感じてしまう可能性もあります。
トラブル対応が難しい
オープニングの段階では、どのメンバーもまだ経験が浅く、急なトラブルやイレギュラーへの対応が難しい部分もあります。例えば店長などの責任者が席を外している時に、お客様からのクレームが入ってしまった場合など、現場にいるメンバーだけではスムーズな対処ができない可能性も。さまざまな場面に遭遇するなかで、各状況に適した判断が少しずつできるようになりますが、最初のほうはどうすべきか迷ってしまうのは当然です。もちろんどのような職場でも、対応に困る問題が発生するのは避けられないので、失敗を乗り越えながら働く心がまえをしておくことも大切でしょう。
オープニングスタッフになりたい時に使える!おすすめの志望動機の書き方
オープニングスタッフの求人に応募する際には、新たな職場を盛り上げていく段階ならではの志望動機があると、より一層採用につながりやすくなります。そこで以下からは、オープニングスタッフのアルバイト募集などで参考にできる、志望動機の書き方をご紹介。自分の強みや性格など、アピールしたいポイント別に解説していきます。
チームワークを大切にできる人
オープニングスタッフは、仲間同士で力を合わせて、新たな職場を盛り上げていくことになります。例えば「みんなで一つの目標を目指したことがある」「その場のムードをつくるのが得意」など、チームワークを重視できる経験もアピールにできます。オープニングスタッフの募集では、こうした協調性やコミュニケーション力を活かして活躍したい旨を志望動機に盛り込むのもおすすめです。
(例文)
「学生時代のクラブ活動では自分から積極的に部員へ声をかけて、親睦が深まるようなチームづくりに尽力してきました。そこで培ったコミュニケーション力を活かして、〇〇店(応募先)でも、よりよいチームワークに貢献していきたいです。」
新しいアイデアを企画・提案するのが好きな人
新たに開業する店舗などでは、実際に営業していくなかで、よりよい職場環境や売上・集客につながる運営方法を確立していきます。例えば「もっとこの業務はこうしたほうがよさそう」「こんなキャンペーンがやってみたい」など、新たなアイデアが取り入れてもらいやすいのも、オープニングスタッフの特徴です。新しいことをどんどん前向きに考えていくのが好きな場合には、その発想力をアピールする志望動機にするのもよいでしょう。
(例文)
「学生時代に文化祭で◇◇の出店を経験したことがあり、△△や□□などの販促活動をして、たくさんのお客様を集める工夫をしました。どんどん自分なりのアイデアを試す過程にやりがいを感じるので、〇〇店(応募先)でも、売上アップや集客のための企画をしていきたいです。」
新たなことに挑戦して自分を成長させたい人
特に学生の場合は、就職に向けた経験値を上げる目的で、オープニングスタッフに応募したいと考えるケースもあるでしょう。なかには「将来は自分のお店を持ちたい」などの憧れがあり、オープニングスタッフに挑戦してみたいと感じている場合も。こうした成長意欲は、志望動機に盛り込むことで、仕事に対する熱意としてアピールできます。
(例文)
「卒業後には、◇◇業界に就職したいと考えており、〇〇店(応募先)で経験を積んで将来に活かしたいと感じています。〇〇店(応募先)では、△△や□□の業務にも積極的に携わり、スキルアップを目指したいです。」
今までの経験や自分の好きなことを活かしたい人
例えば今までにその分野に携わった経験があったり、応募先で取り扱っている商品やブランドが好きだったりする場合には、自分の知識を活かして活躍できます。特にオープニングスタッフでは、多少でもその業界の知識があると、即戦力として採用されやすくなります。単純に「興味がある」などの場合でも、少しでも理解を持ったうえで応募した旨を志望動機に盛り込めると、強いアピールにつながります。
(例文)
「今まではユーザーとして〇〇店(応募先)のブランドが好きで、実際に△△や□□の商品を利用してきました。今後は自分自身が顧客だった視点を活かして、売上アップに貢献できるような取り組みにも尽力していきたいです。」
まとめ
オープニングスタッフは、同じ時期にスタートできる仲間とともに、新しい職場を活気づけていく貴重な経験ができる魅力があります。もちろん新たな環境をつくり出していく、オープニングスタッフならではの大変さもありますが、その分やりがいを持って活躍しやすいでしょう。また応募する際の志望動機では、こうしたオープニングスタッフとしての仕事の面白さや楽しさを実感しながら、働きたい意欲が伝わる内容にするのがおすすめです。オープニングスタッフの求人に興味がある時には、ぜひ本記事も参考に、応募を検討してみてください。