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ITパスポートは転職に有利?メリットとアピールポイント

ITパスポートは転職に有利?メリットとアピールポイント

今後のキャリアや自分の成長に向けて、新しいスキルを身につけようと考える際に、資格取得を目指すケースは多く見られます。また転職を検討するにあたり、確かな能力としてアピールできることから、何かしら資格を取っておきたいと思うこともあるでしょう。なお最近では、AIをはじめとした技術革新がどんどん進んでいることから、「IT分野のノウハウを磨きたい!」と感じている場合も。そこでIT分野の初心者からでも目指しやすい、ビジネスでも活かせる資格の代表例として、ITパスポートが挙げられます。では実際に、ITパスポートの資格取得により、ビジネスにおいてどのような利点があるのかご紹介。ITパスポートを通じて、転職を有利にするためのアピールのポイントなどもあわせて解説していきます。

ITパスポートは情報技術分野の入門となる国家試験

ITパスポート

そもそもITパスポートとは、経済産業大臣による国家試験で、IPA 独立行政法人 情報処理推進機構が運営をおこなっています。なおITパスポートは、情報処理技術者試験に分類されており、IT分野における第一段階となる入門資格です。情報処理技術者試験といえば、プログラマーやシステムエンジニアの登竜門ともいわれる、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験が思い浮かぶかもしれません。こうした基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、ITパスポートの上位資格に当たります。このようにITパスポートは、情報技術にあまり触れてきていない初心者から目指しやすく、IT分野を学ぶ第一歩としておすすめできる資格です。またITパスポートの試験では、おもに次のような出題がされます。

  • IT分野の基礎知識(コンピュータシステム、アルゴリズム、プログラミング、データベース、セキュリティ、ネットワーク など)
  • システム開発技術の概要(開発手法、プロジェクトマネジメント、システム監査 など)
  • 経営ノウハウ(法務、経営戦略、財務 など)

ITパスポートでは、例えばインターネットの仕組みやIT技術の概念をはじめ、システム開発のプロセスやプロジェクトの進行方法など、幅広い知識に関する出題がされます。プログラミング言語やデータベースの扱い方、情報漏えいのリスク管理など、試験を通じてIT分野の基本的な考え方から習得できるのが特徴です。さらにITパスポートでは、コンプライアンスなどの企業経営に関わる出題もあり、法務から会計・財務に対する理解も深めることが可能。IT分野に限らず、ビジネスパーソンとしてキャリアアップを目指すための初歩にもなる資格です。

ITパスポートは転職時にも役立つ!試験合格を目指すメリット

資格のイメージ図

ITパスポートの試験合格に向けて勉強することで、転職活動をはじめ、仕事をしていくうえでのさまざまな効果に期待できます。

ITリテラシーを高められる

IT分野の基礎から理解を深めることで、情報技術の適切な活用方法を知ることができ、幅広いビジネスシーンに役立つ知識として身につけられます。IT企業に限らず、例えば社内の業務効率化に向けたシステムの採用時など、情報技術に精通していることでスムーズな導入が可能。より的確なツールの選定や使用環境の構築といった、効果的にシステムを使うための道筋なども見えやすくなります。ITリテラシーが高まることで、IT分野の専門性が求められる業務にも対応しやすくなり、活躍の幅を広げられる利点があります。

ビジネスの基本となる幅広い知識を身につけられる

ITパスポートの資格取得により、IT分野だけでなく、事業経営に役立つ知識も習得できます。ITパスポートの試験では、SWOT(戦略策定に向けた現状分析法)や、BSC(業績評価システム)など、経営ノウハウの基礎となる出題もあります。その他にも、財務諸表や損益分岐点分析などに関わる設問もあり、会計領域の基本的な概念も身につけることが可能。事業戦略に関する理解も深められるため、例えば生産性向上を図る対策をはじめ、業績アップにつながる取り組みなども進めやすくなります。

履歴書でアピールできるスキルになる

ITパスポートは、官公庁が認定する国家試験でもあり、当然ながら履歴書にも記載できる資格です。転職時の履歴書で、ITパスポートの資格保有を明記しておくことで、書類選考で評価される可能性も高くなります。履歴書の時点で、ITパスポートの資格があることを示すことで、ITの基礎知識が身についている人材として認識されやすくなるためです。特に、IT分野に関連する事業や業務の求人に応募する際には、ITパスポートがあると有利になりやすいでしょう。

IT業界でステップアップを目指す土台にできる

まったくの未経験からITエンジニアを目指したい場合など、まずはITパスポートから段階的に資格を取得していくことで、着実に専門性の高いスキルを身につけられます。もちろん個人の自由なので、プログラマーやシステムエンジニアに求められる、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験から勉強しはじめても問題はありません。とはいえIT分野に慣れていない場合には、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は非常に難易度が高く、学習していくなかで挫折しやすい一面もあります。そこではじめは初心者向けのITパスポートの試験から学びを深めていくことで、無理せず手堅くスキルアップできる効果が見込めます。

応募できる求人の選択肢が増える

数ある求人のなかには、「ITパスポートの取得必須」など、応募条件として設けているケースも見られます。場合によっては「ITパスポート試験合格者優遇」として、採用で有利になる条件として明記されていることも。ITパスポートに限りませんが、ビジネスに直結する資格があることで、多少なりとも応募条件で船外になる可能性を低くできます。ITパスポートにより、転職のチャンスを広げられるのも大きなメリットです。

ITパスポートが活かしやすい職種の代表例

AIやIoTをはじめ、さまざまな技術革新が進んでいる現代では、幅広い事業でIT活用が推進されています。システム開発会社などのIT企業だけでなく、IT分野の専門知識は、さまざまな職場で必要とされるもの。そのためITパスポートは、基本的にはどのような業種・職種でも活かせる資格といえます。そうしたなかでも、特にITパスポートによる知識やスキルを活かしやすい職種としては、次のような例が挙げられます。

事務職

事務職は円滑な社内業務の遂行をサポートするポジションで、例えば取引先との連絡・調整や書類の管理など、機密情報を取り扱う場面も多い仕事です。情報セキュリティの知識が求められやすい部門でもあることから、ITパスポートを通じた専門ノウハウが活かせるシーンも多く出てきます。またバックオフィスを担当するなかで、より働きやすい環境整備などに携わることも。そうした際にも、IT分野に精通していることで、社内の業務改善にともなうITツールの活用などもしやすくなります。

Web制作(ディレクター、デザイナー など)

ITパスポートでは、ネットワーク関連の理解を深められるため、Web制作の仕事でも活用できます。インターネットの仕組みやセキュリティ対策などの専門知識を習得できていることで、サイトの構築・運営管理といった、Web制作に求められる各種業務をスムーズに進めやすくなります。ITパスポートは、Web制作との関連性も比較的強い資格なので、転職時にも有利になりやすいでしょう。

IT業界の営業

自社のITツールなどを提案する営業職では、お客様や社内のエンジニアとの円滑なコミュニケーションのためにも、IT分野の専門知識が欠かせません。そこでITパスポートを通じて、IT分野の基本から理解を深めておくことで、各顧客が求めるシステムの言語化やエンジニアへの情報共有などもスムーズに進めやすくなります。またIT分野の専門知識を十分に身につけておくことで、顧客へのプレゼン・問い合わせ対応・課題解決策の立案など、さまざまな営業活動が効率的にしやすくなる効果が見込めます。

テクニカルサポート

テクニカルサポートとは、おもにIT製品に関わるユーザー支援を担当する業務で、例えばシステムの不具合時や操作関連の質問などに対応していきます。システムに関する技術的な問い合わせに応じていく仕事のため、IT分野の専門知識が求められます。基本的にはマニュアルなどが用意されていますが、IT分野への理解がないと、うまく説明ができずにお客様を困らせてしまうことも。そこでITパスポートを通じた専門知識があることで、状況判断や解決がスムーズにしやすくなり、顧客満足度向上などにも貢献できます。

ITパスポートを通じて転職を有利に進めるためのアピール方法

ITパスポート

ではここからは、ITパスポートの資格を存分に活かしながら、転職を有利にするポイントを見ていきましょう。

ITパスポートの取得を目指した経緯を自らの強みにする

もし今までのキャリアのなかでITに関わる機会がなかったとしても、ITパスポートの取得を目指した経緯を伝えることで、今後の活躍につながる強みを示しやすくなります。もちろんIT分野に関連する仕事をしてきたのであれば、さらなるステップアップに向けてITパスポートを取得した過程を率直に伝えるだけでも、意志の強さをアピールにできます。またIT分野未経験の場合でも、自ら興味を持ってITパスポートの試験合格まで勉強できた事実は、自分自身で目標を決めて達成できる主体的な姿勢として評価されます。どのような取り組みから試験合格に至ったのか、具体的な過程を示すことで、自らの課題や困難に対応していく能力としての自己PRにつなげられます。そのうえで、ITパスポートによる知識やスキルを活かして活躍したいイメージまで伝えられると、より強力なアピールができるでしょう。

IT分野に対する学習意欲から向上心を示す

これからIT業界にチャレンジしたい場合には、今後のキャリアのためにITパスポートを取得したことを伝えることで、新たな仕事に対する熱意を示すことができます。またプログラマーやシステムエンジニアでは、一般的には基本情報技術者試験の資格が求められやすいですが、なかには完全な未経験から採用している求人もあります。このように応募条件を問われない、未経験のITエンジニアの採用であれば、ITパスポートを通じてすでに技術職としての基礎が身についていることをアピールできます。またITパスポートに加えて今後も学習を続けたい意欲を見せることで、業界に興味があるうえに、実際にスキルアップを目指したい向上心も伝わりやすいでしょう。

ITパスポートの知識・スキルを活かして志望動機につなげる

IT業界でない転職先であっても、ITパスポートの知識やスキルを通じて実現したいことなどを伝えることで、説得力の高い志望動機にできる効果が見込めます。例えば「社内でIT分野に長けた人材として、△△の業務で〇〇をしていきたい」などの意欲を見せることで、ITの専門ノウハウと熱意を同時にアピールできます。ITパスポートを通じて身につけたことをどのように活かしたいのか、具体的なビジョンを志望動機に組み込めると、強いアピールにもつながりやすいでしょう。

まとめ

ITパスポートは、情報技術関連の資格のなかでは入門レベルですが、試験合格に向けて身につけたノウハウは仕事上でも十分に活かせるものです。また初心者向けの資格なので、独学で勉強しやすい一面もあり、IT分野で着実にスキルを高めたい場合のスタートラインとしてもおすすめ。ITパスポートを活かした転職をご検討の際には、ぜひ本記事も参考に、採用に向けた自分自身のアピールポイントとしても活用してみてください。