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高卒の転職・再就職は厳しい?理由や乗り越える方法

高卒の転職・再就職は厳しい?理由や乗り越える方法

漠然としたイメージから、「高卒だと学歴的に自信がないし、新しい就職先を見つけるのは難しいかも……」など、なんとなく不安を感じてしまうケースは少なくありません。実際のところ、各企業の採用基準などを考えると、大卒のほうが有利になりやすい一面も。とはいえ高卒だからといって必ずしも不利になるわけではなく、採用選考に臨む準備や心がまえ次第で、転職が成功するチャンスは十分にあります。そこで今回は、高卒の転職・再就職における実態をはじめ、おすすめの業種・職種や内定に向けたポイントなどを解説していきます。

高卒の転職や再就職が難しいとされる理由は?

転職活動のイメージ図

ではそもそも、なぜ高卒の転職や再就職が厳しいイメージなのか、具体的な原因を知っておくことで採用に向けた対策にもつながりやすくなります。まずは、高卒人材の採用事情から見ていきましょう。

採用基準に学歴制限を設けている企業も多いため

なかには大前提の応募条件として、「大卒以上」との学歴制限を設けている企業も少なくありません。そうなると大卒以上に比べて、応募できる求人の母数が減ってしまい、高卒の求職者にとっての選択肢は狭まりやすくなります。このように高卒の場合、就職先として選べる範囲を広げにくい分、確率として採用につながりづらい一面もあります。

学業経験値を重視して採用するケースもあるため

前述にもあるように、応募条件として「大卒以上」を明記していなくても、社内の実態として高卒を採用していない場合も。なかには大学における各種専門分野の学習やゼミをはじめ、サークル活動や卒業制作・論文など、さまざまな経験値によるポテンシャルを重視して採用を決める企業もあります。また競争率の高い企業などでも、社内的には大卒以上の採用基準を設けていることもあり、高卒だと選考に通過しにくいケースも見られます。

早期離職が懸念されやすい傾向にあるため

厚生労働省が発表する「新規学卒者の離職状況」(※1)によると、学校卒業後から3年以内の退職者の比率として、大卒に比べて高卒のほうが4.7%高いとの結果が出ています(令和2年時点)。わずかな差ではありますが、これまでのデータとしても、高卒新卒者の3年以内の退職率は大卒よりも高い状況です。こうした背景から、高卒人材というと早期離職しやすいとのイメージを持っている企業も。また高卒新卒の場合は、学校斡旋などによって就職先を決めることも多く、ミスマッチが生まれやすく早期離職につながりやすいケースも想定されます。とはいえあまり就業経験が短いうちの転職では、「少しでも合わないことがあると辞めてしまうのでは」など早期離職の懸念から、採用されづらくなる可能性もあるので注意が必要です。

(※1)厚生労働省「新規学卒者の離職状況」

高卒人材も採用されやすい!おすすめの業種・職種

転職先選びのイメージ図

ここまでに見てきたように、高卒では採用されにくい部分も少なからずありますが、「学歴不問」としている求人も数多くあります。特に近年は少子高齢化による労働力不足から、学歴に関係なく、より幅広い層から人材を採用しているケースも多数。なかでも、学歴に関わらず就職しやすい仕事として、次のような例が挙げられます。

IT・Web業界

最近では、インターネットの普及やデジタル技術の進歩から、市場としての需要も高いのがIT・Web業界です。IT・Web業界は、世間のニーズに対して慢性的に人材が不足している傾向にあり、学歴問わず採用しているケースも多数。システムエンジニア・プログラマー・Webデザイナー・コーダーなど技術職のイメージが強いかもしれませんが、未経験から育成目的で採用している場合も多々見られます。学歴に関係なくチャレンジしやすいうえに、ITツールの開発やWeb制作など、新たに専門性の高いスキルを磨けるのもおすすめのポイントです。

製造業界

日本は「ものづくり大国」ともいわれるほど製造業が盛んで、国内の主要産業として、人材の需要も比較的高い傾向にあります。多くのメーカーでは、労働力確保に向けて、学歴に関わらず採用している場合も多数。また工業高校から新卒で入社しているケースでは、これまでの経験を活かして、ステップアップやキャリアチェンジを目指したい時の転職先にもおすすめです。

建設業界

社会全体としての建物老朽化などの影響から、今後も含めてニーズの絶えない業界で、なおかつ慢性的に人材が不足している傾向も見られます。実際の工事を担う現場作業員の他、各案件のマネジメントをおこなう施工管理者でも、人手を求めている企業が多くあります。なお施工管理者というと、高度な知識やノウハウが必要なイメージかもしれませんが、学歴や経験などを問わず育成目的で採用しているケースも多数。入社後の教育を通じて、専門スキルの習得を目指せる場合も珍しくなく、じっくりとキャリアを積んで手に職をつけたい時にもおすすめです。

福祉業界

特に介護職は、少子高齢化の影響から需要が高く、専門的なノウハウよりも人と人との関わり合いが重視されやすい一面があります。学歴・資格・経験などに関係なく、コミュニケーション力や人柄を重視して採用しているケースも。福祉施設の利用者のサポート業務が中心になりやすいことから、学歴にともなう高度な知識やスキルよりも、人との接し方などを見て採用されやすい傾向にあります。ちなみに福祉分野ではさまざまな上位資格も多くあり、新たに挑戦して現場経験を積みながら、じっくりキャリアアップを目指したい場合にもおすすめです。

ビルメンテナンス・設備業界

前述にもあるような数多くの建物の経年劣化に加えて、さまざまな施設の各設備には法定点検の義務などもあり、人材の需要も比較的高いのがビルメンテナンス・設備業界です。学歴や経験などに関わらず採用しているケースも多く、入社後の教育を通じて必要なスキルを習得できるのが一般的。高卒や未経験から無理なく調練しやすい業界でもあります。

物流業界

通販やネットスーパーなど、さまざまなオンラインサービスが発達してきたこともあり、昨今は物流のニーズも増加しています。こうした需要の高さから、さらなる人材を必要としているケースも多数あり、学歴などを問わず採用につながりやすいのも特徴。また宅配・運輸といったドライバーや倉庫作業など、比較的シンプルな業務も多く、学歴に関係なくチャレンジしやすい傾向も見られます。

サービス業(営業職)

例えば接客や販売など、営業職を含めたサービス業務では、各企業で取り扱う商材などの専門知識を要するケースが多く見られます。そのため入社後に必要なノウハウを習得していくことを前提に、学歴や経験などを問わず採用している場合も珍しくありません。さらにこうしたサービス業務では、どちらかといえば顧客との関係構築に向けた、コミュニケーション力などが重視されやすい一面も。学歴などに関係なく、人柄やポテンシャルを重視して採用されやすいのも特徴です。

高卒ならではの壁を乗り越えて転職・再就職を成功させるためのコツ

目標を達成したビジネスパーソン

先ほど出てきたように、採用時の学歴制限などもあり、高卒の転職・再就職では大卒に比べると求人の幅が狭くなりやすい一面があります。とはいえここまでに見てきたように、学歴に関係なく活躍できる職場は、数多く存在しているのも事実です。では実際に、高卒の転職・再就職を成功させるための事前対策として、特に押さえておきたいポイントをご紹介していきます。

徹底した自己分析をする

高卒の転職・再就職では、これまでの経験で培ってきた自分の強みなどを活かして、入社後にどう活躍できるのか明確に示すことが重要です。各企業が必要としているのは、あくまで自社の事業に貢献してくれる人材であり、どのようにして戦力になれるのか提示することで採用にもつながります。また場合によっては、大学などで学ぶような専門的な知識よりも、ビジネスの基本となる汎用性の高いポータブルスキルが重視されることも。例えばコミュニケーション力・提案力・論理的思考など、社会人経験のなかで身につく能力が高く評価されるケースもあります。今までの職務経歴を通じて、具体的にどのような実績や成果を出してきたのか振り返りながら、実際に自分のなかで蓄積されているスキルを洗い出してみましょう。

志望する業界や企業について十分にリサーチする

そもそも高卒の人材が活躍しやすいのか、志望する業界や企業の傾向をあらかじめ十分に調べておくことも重要。前述にも出てきたように、高卒の人材が採用されやすい分野で求人を探してみるのも、転職・再就職を成功させるためのいい方法です。例えば各企業の採用サイトなどで、高卒や若手の人材が活躍している様子が伺えれば、同じように実力を発揮しやすい風土があるといえます。口コミサイトなども活用しながら、十分な業界・企業研究をしておくようにしましょう。

実力主義の会社を探してみる

個人の実績や成果など、それぞれの実力を正当に評価する企業を選ぶことで、採用につながりやすくなる可能性もあります。こうした実力主義の会社では、学歴などに関係なく、あくまで入社後の活躍を見越したポテンシャル採用をおこなっているケースも。また個人の実力主義であれば、学歴に関わらず、昇給や昇格なども目指しやすいメリットがあります。学歴が気になっている場合には、個々の能力が認められやすい企業を選ぶのも一つの方法です。

なるべく広い視野を持って新たな就職先を検討する

高卒人材の強みは、特に新卒ですぐに就職した場合には、社会人経験を比較的長く積んでいる点です。例えば年齢は同じでも、大卒に比べて豊富な社会人経験があるケースも考えられます。仮に20代のうちに転職・再就職を検討する際には、若手のポテンシャル採用にも、今までの経験による即戦力採用にも挑戦しやすい利点も。そのため幅広い視野を持って、新たな職場を探してみることで、就職先の選択肢を増やして採用率を高めることも可能です。自分自身の現状をしっかりと見極めながら、どのような方向性で転職・再就職に向けて動いていくべきか検討していきましょう。

転職のプロの力を借りる

例えば「きちんと採用してくれる企業があるのか」など、漠然と不安を感じている時には、転職のプロとなるエージェントサービスを活用するのもいい方法です。転職エージェントでは、各人材にとってベストな求人検索から採用選考まで、就職が決まるまでの過程を全面的にサポート。個々の希望条件はもちろん、経験や能力などに応じた、より的確なマッチングや事前対策などのフォローを受けられます。採用率を高めるには、転職エージェントサービスを使ってみるのもおすすめです。

なお「オーダーメイド転職」では、三重県に特化した地域密着型のエージェントサービスを提供しています。高卒から、三重県の地元優良企業への転職・再就職を目指したい場合には、ぜひご活用ください。

まとめ

高卒の転職・再就職は、さらに上位の学歴に比べると企業次第では採用につながりにくいケースもあり、見方によっては厳しく感じる可能性があります。ただし一方で、学歴に関係なく人材を採用している企業も数多くあり、高卒の転職・再就職が成功するチャンスも大いにあるといえます。例えば求人の探し方や選考に向けた対策など、十分な準備をしておくことで、自分にとってよりベストな職場での活躍にもつながっていきます。ぜひ本記事を参考に、高卒の転職・再就職に向けて、しっかりとした備えをしていきましょう。