転職を考える際、年収アップを目指すことがキッカケとなるケースも珍しくありません。例えば昇給が難しい仕組みや、ポジションアップがしづらい環境などがある場合には、「転職したほうが早いかも」と感じてしまうこともあるでしょう。とはいえ結果的に転職はできても思うように年収が上がらなかったり、反対に収入面を気にしすぎて次の職場が決まらなかったりなど、何かと不安に思うこともありますよね。そこで今回は、年収アップが叶いやすい転職の傾向についてご紹介。あわせて、転職で年収を上げるためのポイントなども解説していきます。
転職で年収が上がりやすいのは20代~30代
そもそも転職によって、年収アップをしている人がどれくらい存在しているのか、大まかな現状から見ていきましょう。
厚生労働省の調査(2022年時点)によれば、前職から収入が上がった転職者の割合として、次のような結果が出ています。(※1)
19歳以下:47.8%
20歳~24歳:40.5%
25歳~29歳:45.6%
30歳~34歳:39.4%
35歳~39歳:44.9%
40歳~44歳:38.0%
45歳~49歳:34.2%
50歳~54歳:24.9%
55歳~59歳:29.1%
上記の結果から見てみると、これから給与水準が上がっていく世代でもある10代転職では、年収がアップした人の比率は高くなっています。
また20代や30代においても、4割近くの転職者は、年収アップを実現しています。ちなみに40代になると、年収がアップした転職者の割合は少し低くなっていますが、それでも3割以上は収入が上がっている状況です。
どうしてもすでに給与水準が高い世代では、転職で年収を上げるのは難しい部分もありますが、特に20代や30代なら収入アップを狙うチャンスは十分にあるといえます。
転職によって年収アップにつながりやすい経験やスキル
転職を通じて年収アップを目指すには、やはり採用する企業側からの高い評価を得ることが重要です。では実際に、収入を上げる転職において、特に有利になりやすい能力を見ていきましょう。
リーダーやマネージャーなどの管理業務
リーダーやマネージャーなどの管理職は、各現場に対する十分なノウハウが求められるポジションです。こうした経験値は、特定の業界や職種に長けている証拠として評価されやすく、事業の中核を担う即戦力として給与水準も高くなりやすい傾向にあります。近年は社会全体として人手不足も問題になっており、人材を育てるマネジメントポジションの需要が高く、年収アップも目指しやすいといえます。
また多様な人材活用にともない、各企業でも女性活躍推進に向けて、女性の管理職を積極的に採用しているケースも少なくありません。特に女性で管理業務を経験した実績は、転職市場でも高評価につながりやすく、年収アップにも比較的有利です。
組織の課題解決や環境整備
さまざまな業務の自動化が進んでいる最近では、例えば新たなアイデアや試行錯誤が必要とされる、属人的な仕事に携わった経験が評価されやすい一面もあります。前述にもあるように人手不足が深刻化している現在は、組織としてのパフォーマンスを高めることが重要となっています。こうした現状からも、組織の課題解決や、よりよい環境づくりをおこなってきた経験や実績は、転職市場では高評価につながりやすい要素です。組織を動かす中心的なポジションとして、高い給与水準で採用されやすく、年収アップを目指すのにも有利になりやすいでしょう。
新規事業のスタートアップ
例えば、新たな商品やサービスの開発などに携わった実績も、さらなる事業成長を目指す企業にとっては高く評価できる要素です。特に新しい分野への進出を考えている企業では、新規事業の経験を活かして活躍してもらう即戦力として迎える分、高水準の給与が設定されている可能性も高いでしょう。
ここまでに見てきたように、企業への貢献性が高く、なおかつ人材として貴重だと感じてもらえる能力やノウハウがある場合には、特に年収アップは目指しやすい傾向にあります。
年収アップが成功しやすい人物像とは?
先ほどまでに見てきたような経験やスキルに限らず、特に次のようなポイントを押さえている人は、転職によって年収アップを目指しやすい特徴があります。
これまでの経験を即戦力として活かせる
やはり即戦力としての活躍が見込める人材のほうが、企業側としても高い給与で採用しやすいのが事実です。仮に異なる業界や職種に転職する際も、自らの経験を活かして事業成長に貢献できるのであれば、十分に年収アップを目指すことは可能。例えばこれまでの経験をもとに、組織全体の新たな挑戦を推進できる人材なら、企業側としても今後の貢献性を評価して高水準の給与を設定できます。自分の経験をどう活かして、どのような影響をもたらすのか明確にできれば、年収アップにつながる転職ができるチャンスも大いにあります。
主体性を持って活躍できる
特に高めの給与が設定されている採用では、企業として今までにない取り組みを進めたい場合など、組織の変革を促す人材を求めているケースも多々あります。そうした際には、自ら意見を発信したりアイデアを生み出したりなど、積極的な姿勢が評価されて採用につながることも。また成果や実力を重視する企業では、活躍に応じたインセンティブを設けていることもあり、入社後の主体的な行動から収入アップを目指せる可能性もあります。企業の成長に向けてどう動くべきなのか、自ら考えて動ける資質も、年収アップに直結しやすい重要な要素です。
自分自身の市場価値を十分に把握できている
年収アップを目指す転職では、いかにして企業が必要としている人材なのか、明確に提示することも大切。たとえ優秀な実績があったとしても、企業側が求めるものでなければ、なかなか採用にはつながりません。志望する企業がどのような活躍に期待しているのか、それに対して自分自身のスキルや経験がどう活かせるのか、きちんとマッチしていることが重要です。しっかりと自己分析をしたうえで、自らの強みによってどのような影響が与えられるのか、自分の市場価値を的確に見極めることも年収アップを目指すのには欠かせません。
転職にともなう年収の上げ方で効果的な方法5選
では実際に、年収アップを目指した転職を有利に進めるために、知っておきたいコツもご紹介していきます。
今までと同じ業界や職種で即戦力として活躍する
年収を上げるための転職で効果的なのは、確かなノウハウをもって活躍できる、入社後のイメージを明確にすることです。例えば、「今までと同じ業界で、事務職から営業職にキャリアチェンジをする」「職種は変えないまま、○○業界から△△業界に挑戦する」など。これまでの業界・職種経験が活かせる強みをしっかりと提示することで、より高い年収に期待できそうな分野に挑戦して、収入アップを図る方法もあります。業界や職種ごとに給与水準は変わってくるので、存分に経験を活かしつつ、できるだけ平均年収が高い分野を目指すのも効果的です。ちなみに比較的賃金が高い業界例としては、社会インフラ(電気やガスなど)・金融・保険・IT(情報通信)・不動産など。実際に転職サイトなどを見て、各求人を見比べながら大まかな給与相場を調べてみると、年収アップを目指すための方向性も定まりやすいでしょう。
ハイポジションを目指しやすい職場を選ぶ
年収アップを目指すには、新たな職場で役職に就いて活躍するのも一つの方法です。管理職への転職では、マネジメントの経験などが求められるイメージがあるかもしれませんが、なかには現場のプレーヤーも視野に入れて採用をおこなっているケースも。企業によっては例えば「事業拡大に向けて中間層のリーダーが必要」など、そもそも役職のポジションの欠員補充として、新規採用をしている場合もあります。役職での採用であれば、別途手当や基本給のベースアップなど、収入につながりやすい待遇に期待できます。
実績が評価されやすい環境で本領を発揮する
例えば、社歴に応じて昇給する給与体系の職場では、なかなか自分の実力によって収入を上げるのが難しいケースも。年功序列の風土が強いと、ベースアップまでに時間がかかりやすい一面があります。そうした場合には、成果に応じた評価基準を設けているなど、個人の実績を重視する企業への転職で年収アップを目指す方法も考えられます。個々の裁量を持って活躍でき、なおかつ実力が認められやすい企業を目指すのも効果的です。
年収交渉をする
採用選考時の面接では、労働条件の確認や企業側への質問ができることも多く、場合によっては年収の交渉をしてみるのもいい方法です。これまでの実績やスキルなど、交渉材料があれば、応募者側から希望の年収を持ちかけるのもまったく問題はありません。もちろんタイミングや条件の提示方法は十分に考慮する必要はありますが、各業界・職種の相場感や、実力に見合った想定年収を交渉するのも検討しておきましょう。
転職エージェントサービスを活用する
転職エージェントサービスを使えば、希望の年収が目指せて、なおかつ採用につながりやすい企業とのマッチングをサポートしてもらうことが可能。プロの目線から、各求職者に見合った求人を提案してもらうことができ、きちんと収入アップも叶えた転職ができる確率も高くなります。また転職エージェントに間に入ってもらうことで、前述のような年収交渉をフォローしてもらえる利点もあります。
なお「オーダーメイド転職」では、三重県に特化したエージェントサービスを提供しており、独自のネットワークをもとに地元優良企業とのマッチングをバックアップ。希望の年収を目指した転職に向けて、求人紹介から選考のアドバイスまで全面的な支援が可能ですので、ぜひご活用ください。
まとめ
当然ながら希望の年収が高くなればなるほど、採用のハードルも上がっていきますが、もちろん十分な実力があれば決して無理なことではありません。しっかりと企業からの評価に値する強みをアピールできれば、年収アップに向けた転職が成功する可能性も大いにあります。とはいえ各業界や職種で、ある程度の相場も決まっているため、あらかじめ妥当な年収を見極めながら自分に合った求人を探してみるのも重要です。収入を上げるための転職活動をはじめる際には、ぜひ本記事も参考にしてみてください。