
高い成果を出していても、不公平なえこひいきが起きていると、正当な評価や活躍の場が与えられずに本領を発揮できないケースは少なくありません。理不尽な扱いを受けることで、モチベーションもどんどん下がるうえに、あまり納得できない状況に大きなストレスを感じてしまうでしょう。そこで今回は、職場でえこひいきが起こる原因やその対策について、詳しく解説していきます。
職場でよくある!起こりがちなえこひいきのパターン例

えこひいきとは、自分にとって愛着のある人物を特別に優遇する行為で、複数名が集まって業務を進める職場ではありがちな問題です。例えば職場で起こりやすいえこひいきのパターンとして、以下のような例があります。
- まだ経験や実績がともなっていないにも関わらず、重要度の高い案件を任せる
- 好成績を残しているメンバーを無視して、特定の部下に恵まれたポジションを与える
- 実力に見合わないような高評価を付けたり、昇格させたりする
- 特定の部下の考えのみを尊重し、他のメンバーに意見する機会を与えない
上記のように上司の個人的な感覚だけで、特定の部下に対し、分不相応な優遇をするのがえこひいきのよくあるケースです。
えこひいきはなぜ起きる?不公平な態度や評価になる理由

ビジネスシーンにおいては、組織一丸となって利益を追求すべきですが、不公平に思えるえこひいきが起こることは珍しくありません。そこでまずは、どのような背景からえこひいきが発生するのか、当事者として考えられる心理から解説していきます。
自分の立場を守りたい
好成績を出しているにも関わらず、自分よりも実績の浅い他の同僚に対し、上司がえこひいきしている時に考えられるパターンです。特定の部下の優秀さがゆえに、上司側としては「今の地位を奪われるかもしれない」など、自分の立場が危うくなる懸念を感じることもあります。
そこで業務上の成果よりも、自分を持ち上げてくれたり頼ってくれたりなど、味方してくれそうな言動を重視してえこひいきするケースも見られます。あくまで自分のことを立ててくれる部下を優遇して、あえてレベルの高い仕事や高評価などを与えることで、自らにとって好ましい状況にしようとする心理が働いている状態です。上司自身の先を越すのではなく、立場を守ってくれる部下で周りを固めることで、自らの意思が通りやすい組織にしたいとの思惑からえこひいきが生じる場合も多々あります。その結果、実力に関係なく、いわば太鼓持ちのような存在がえこひいきされることも珍しくありません。
特定の相手に対する私的な情が湧いている
チームを率いる上司側としては、価値観も特性も大きく異なるメンバーを取りまとめながら、成果を目指していくミッションがあります。さまざまな人材を動かす立場だからこそ、それぞれの部下との相性の差を実感しやすい一面も。上司自身にとって接しやすい相手のほうが、仕事を頼みやすかったり連携を取りやすかったりする部分もあり、どことなく偏った対応になるパターンも考えられます。
また目に見える結果は出していないにしても、いつも大変そうな時に手助けしてくれるなど、その上司側の主観的から部下として高く評価しているケースもあります。その他にも例えば「場を和ませてくれる」「付き合いがいい」など、特定の部下に対して業務に関係ない部分で好感を持っていて、えこひいきのような特別扱いが見られることも。上司にとっての個人的な考え方や感覚が作用して、えこひいきにつながっている場合も多々あります。
苦手意識が呼応して観点が偏っている
もし自分自身が上司を苦手だと思っていたのであれば、そのマイナスな印象が相手にも伝わっていることは珍しくありません。ちょっとした言動や所作から、自分自身の苦手意識がにじみ出てしまい、相手側としても少し遠慮するような態度になるケースもあります。こうして無自覚にお互いを避け合ってしまうことで、それぞれが相手に対する偏った観点を持ってしまうパターンも考えられます。
このような場合には、むしろ上司側としては慎重な対応や過剰な配慮をしていることもあり、結果的に必要以上に距離を取った状態になっている可能性もあります。なんとなく接しづらくなっていることで、その上司にとっては他の部下に肩入れしやすくなってしまい、えこひいきのような不公平感が生じていることも。上司側の個人的な感情だけで、えこひいきが起きているのではなく、単純にお互いに理解し合えていない状況も想定されます。
職場のえこひいきがストレスになる時の対策方法

特定の誰かが優遇されるようなえこひいきは、基本的にはあまり気にしすぎず、あくまで自分自身は仕事だけに意識を集中させるのが大原則です。上司に気に入ってもらうために、仕事をしているわけではないので、態度の違いを感じる程度であれば割り切って考えるのが賢明でしょう。とはいえ状況によっては、「思うように能力を発揮できない」「正当な評価を受けられない」など、自分自身の仕事ぶりに影響しているケースもあります。このように職場のえこひいきから、大きなストレスが生じている場合には、次のような対処法を検討してみるのもいい方法です。
まずは自分自身の立ち振る舞いを見直してみる
職場でのえこひいきは、上司側の主観的な価値観から生じているケースが多く、根本的に解消するのはなかなか難しい部分もあります。そこで少しでも改善する方法を検討するためには、えこひいきが起きている原因を推測してみることも大切です。
場合によっては、その上司に対する自分自身の立ち振る舞いから、なんとなく相手を遠ざけてしまっているパターンも想定されます。例えば「相談などは最低限しかしていない」「上司の意見や助言を聞き入れてなかった」など、自身の言動から、自分以外の同僚を優遇するような対応を誘発している可能性も。なんとなく不公平な扱いなどを感じる時には、自身のなかにも多少なりとも原因があるケースも考えられます。自らの発言や行動を少し変えてみるだけで、えこひいきのような態度の差が解消されることもあり、あらためて自己分析してみるのも重要です。
特別扱いされている同僚の言動に注目する
特定の同僚がえこひいきされている時には、ただ感覚的に気に入られているだけでなく、特別扱いされるだけの要因も少なからずあります。えこひいきによって、その上司にとっての何かしらのメリットにつながっているケースもあるため、優遇されている同僚の言動に注目してみるのもおすすめ。しっかりと観察してみることで、なぜその同僚がえこひいきされているのか、ある程度の根拠が見えてくることもあります。
例えば上司の考えを聞く姿勢や話しかける内容など、えこひいきされている同僚の接し方をよく見ておき、反応の違いを分析してみるのもいい方法です。その他にも、傍から見ればただ愛嬌がいいだけに思えても、その親しみやすさからムードメーカーとして職場のチームワークに貢献している場合などもあります。特に明確な成果を出していないにも関わらず、えこひいきされているとなかなか腑に落ちない部分もあるかもしれませんが、今一度俯瞰的な視点で見直してみるとよいでしょう。
具体的なフィードバックを求める
他の同僚がえこひいきされているがゆえに、正当な評価がされていないと感じる時には、自分自身の課題や改善点を直接聞いてみるのも一つの方法。「現状ではこれくらいの実績を出していて、もっと高い成果を目指すにはどうすべきか」など、あえてアドバイスを求めてみるのもおすすめです。
あくまで上司には組織をけん引して業績を残す役割があり、部下から具体的なフィードバックを要求されたことに対し、そのまま放置してうやむやにするのは難しい立場といえます。なおかつ具体的なフィードバックを促すことで、個人の感情的な指摘ではなく、明確なデータなどの根拠にもとづいた助言を受けやすくなります。さらにこうして上司主導の行動を取ることで、その結果を否定しにくくなるため、えこひいきによる不公平な評価も防ぎやすくなるでしょう。また自分から能動的に上司を頼ることで、その相手にとっても「信頼してもらえている」と感じやすくなり、距離感が縮まる可能性もあります。
周りの同僚や先輩に相談してみる
特定の同僚に限ってえこひいきされている時には、自分だけでなく、周りの同僚や先輩も同じように違和感や不満を覚えていることも少なくありません。単純にその上司に逆らうことをわずらわしく感じているだけで、自分自身と同様に、大きなストレスを抱えている可能性は十分にあります。
もし職場でのえこひいきに関する話題に触れたことがなければ、当事者を除いて、他の誰かに相談してみるのも一つの方法です。例えば評価の内容など、周囲の仲間と共有してみることで、えこひいきによる実態を把握して現状を見直すことができます。場合によっては、「自分よりも高い成果を出している先輩が低評価になっている」など、より深刻な問題になっているパターンもあります。もちろん上司などの悪口を言いふらすのはNGですが、こうして周りの同僚や先輩と状況を理解し合うことで、お互いに協力して対策を考えていくのもよいでしょう。
業務フローなどの改善策を提案する
えこひいきによって、業務の割り振りや作業量などに偏りが出ている時には、なるべく公平に仕事がしやすい体制を考え直してみるのもおすすめです。例えば業務フローの変更や評価項目の修正、業務分担に向けたミーティングなど、えこひいきが起こりにくい仕組みを練って提案する方法もあります。
単独だとなかなか実行しにくいかもしれませんが、協力者がいれば何かと行動しやすくなります。もし周りの同僚や先輩も同じように、えこひいきに悩んでいるのであれば、仲間同士で共同して改善策を立ててみるのもよいでしょう。なおかつ複数名からの意見であれば、上司としても簡単には無視できないといえます。こうして似たような状況の同僚や先輩と力を合わせて、よりスムーズなチーム運営を促す対策を講じることで、えこひいきの解消につながる可能性もあります。
人事の担当部署や専門窓口に対処を申し出る
あまり目に余るようなえこひいきが起きている時には、人事関連の部署や専門窓口に相談してみる方法もあります。例えばえこひいきによって生じた、業務上の日常的な問題を記録しておき、チーム内の実態を理解してもらうことで、対処してもらえる可能性も。場合によっては、その上司を他の部署に移したり、えこひいきをしている同僚と別々の部門に配置したりなど、人事的な措置をしてもらえるケースも考えられます。
もしくはえこひいきが原因となって、チーム内の人間関係が複雑になっている際には、自分自身の異動を申し出るのもいいかもしれません。自分自身の活躍の場を変えてみることで、大きなストレスから解放されることも考えられます。
転職して新しい環境で再スタートする
どうしても職場内のえこひいきが解消されず、日常的な業務や心身状態に支障をきたしている時には、いっそのこと転職を考えてみてもよいでしょう。えこひいきのような人間関係の悩みは、その職場から離れることで解決できるケースも多く、自らの意思で手っ取り早くストレスから逃れやすい手段でもあります。
現状ではえこひいきによって、なかなか本領を発揮できていないかもしれませんが、新たな職場に移ることで高い成果を打ち出せるようになる可能性も。また不公平なえこひいきのない職場で活躍することで、今まで以上の高い評価を得ることができ、給与などの待遇も手厚くなるパターンもあります。職場のえこひいきで苦労している場合には、転職を検討してみるのもいい方法です。
まとめ
職場のえこひいきは、個人の実力や成果に見合わないような特別扱いをしている場合が多く、周りにいる人間にとっては納得ができずにストレスになりがちです。とはいえ職場のえこひいきは、その上司が異動になるなどチームから離れてしまえば、必然的に解消されるものでもあります。さらに職場のえこひいきは、上司の個人的な感覚に左右されやすい一面もあり、ちょっとしたきっかけで状況が変わることも。些細な出来事から、えこひいきの対象が変わったり、あまり偏りがなくなったりするケースも見られます。
このように職場のえこひいきは、上司自身の感情によって変動しやすく、さほど長続きしないパターンも珍しくありません。こうして考えてみると、職場のえこひいきはさほど気にしないのがベターといえます。しかしなかには、度を越えたあからさまなえこひいきが横行していることもあり、精神的な苦痛や業務上の不利益になっていることもあるでしょう。もし職場のえこひいきで不満や負担などを感じているのであれば、今回見てきた対策方法も参考にしながら、ご自身にとっての最善策を検討してみてください。