さまざまなお客様や場面に出くわすことも多い接客業では、どう対応すべきか悩んだり、大きなストレスを感じたりするケースも少なくありません。また接客業をしていくなかで、落ち込んだり苦悩したりすることが多くなってくると、「自分は向いていないのかも……」なんて思ってしまうこともあるでしょう。そこで今回は、接客業が向いていない人の特徴から、辞めようか悩んだ時の対処法まで解説していきます。
接客業が難しく思えてしまう原因は？向いていないと感じやすい人の特徴
ではまず、接客業が向いていないと思ってしまう大きな原因として、どのようなパターンがあるのか整理してみましょう。
自分からなかなか積極的な声かけができない
特に店舗販売のような接客業では、お客様へのお声がけを苦手に感じてしまうパターンも多く見られます。「どう話しかけたらいいのかわからない」「押し売りしているような感覚になって気後れしてしまう」など、どちらかといえば消極的なタイプだと、接客業は難しく思える傾向にあります。また初対面で自分からアプローチしなければならない場面も多く、話題を振ったり自ら提案したりするのが不得意だと、接客業が大きな負担になりやすい部分も。とはいえ普段は遠慮がちな性格だったとしても、仕事と割り切って、例えば店舗販売ならお客様への情報提供として話しかけられるなら問題はないでしょう。自らアプローチしていくのが苦手だったとしても、自分の気持ちや視点を切り替えて、仕事として声かけができそうなら接客業には向いているといえます。ただしどうしても苦痛に感じてしまったり、自ら率先した声かけができなかったりするようであれば、接客業は厳しいかもしれません。
その場の状況を読んで動くことに慣れない
接客業のなかには、顧客対応をマニュアル化していることも多いが、お客様にもさまざまなタイプが存在します。その個性に応じた接客をしていく必要があり、それぞれのお客様にどう接していくべきか、定型化するのはなかなか難しい部分もあります。また接客業では、お客様の希望を汲み取って話しかけたり提案したりする場面も多く、その都度接し方を柔軟に工夫していくことが求められやすい一面も。例えば店舗販売では、お客様の要望にマッチする商品が見つからない時には、別のアイテムを活用して新たな視点からの提案をするなどの臨機応変な接客をするケースもあります。さらに場合によってはお客様からのクレームなど、イレギュラーな事態が発生するシーンも多々見られます。このようにマニュアルから外れた出来事や、形式的でない業務に苦手意識を持ってしまうと、接客業が厳しく感じてしまうことも。何かしら例外的な状況になったとしても、捉え方や視点を変えて物事を考えられるようにできるとよいですが、なかなか慣れないと接客業が向いていないように思えるかもしれません。
複数のタスクが重なると焦ってしまう
接客業では、業態によってはお客様の対応をする合間に事務作業をしたり、在庫の補充をしたりなど、やるべき作業がいくつも重なって発生する場面も多く見られます。一般的に接客業では、お客様と接する仕事だけでなく、店舗運営や販売などにともなうさまざまな業務を担うケースが基本。マルチタスクになりやすい職種でもあり、複数の作業を同時並行で進めるのが苦手に感じるタイプにとっては、接客業が難しく思える傾向にあります。とはいえ自分の抱えている業務の優先順位を付けて順番に片付けたり、他のスタッフに協力してもらったりなど、落ち着いて対処する意識ができれば問題はないでしょう。ただしどうしてもマルチタスクが苦痛に感じてしまう場合には、接客業は厳しいかもしれません。
顧客の態度や言葉を気にしすぎてしまう
場合によっては、商品に対する苦情やお店としての対応などにクレームが入ることもあり、こうしたお客様からの苦言を気にしすぎてしまうタイプだと接客業は難しい傾向にあります。なかには苦情やクレームでなくても、強い口調や態度のお客様に応じなければならない場面もあり、萎縮しやすいタイプにとっては大きなストレスになってしまうことも。たとえお客様が感情的になっていたとしても、正当な苦情やクレームには落ち着いて対処する必要があり、相手の態度や言葉に左右されすぎない心がまえも大切です。また落ち込むような事態が起きたとしても、すばやく気持ちを切り替えて、それはそれとして次の仕事に移ることができるようなストレス耐性も重要。どちらかといえば打たれ弱いタイプだと、お客様の様子によって気落ちしやすく、接客業だと精神的負担が大きく感じやすいかもしれません。
自分の感情が表情や態度に出てしまいやすい
接客業では、例えば来客が集中して忙しくなったり、お客様の言動に納得いかなかったりする場面などが出てきやすい部分も。そうした場合に、自分のなかの苛立ちや不満が第三者から見えるような表情・態度になってしまうタイプだと、接客業は難しい傾向にあります。やはりお客様とダイレクトに接する仕事だからこそ、マイナスな感情を表に出してしまうと、相手の気分を害することになってしまいます。自らのストレス的な感情に振り回されない意識ができれば問題ないですが、うまくコントロールしていくのが苦手だと、接客業は厳しいかもしれません。
接客業を「辞めたい」と感じた時の対処法
もし「自分は接客業に向いていないかも」と思えたとしても、少し見方を変えてみることで、解決できるケースも珍しくありません。そこでここからは、接客業を辞めたいと感じた際に、一度考えてみてほしい対処法をご紹介していきます。
まずは接客業のなかでも苦手な業務を洗い出してみる
接客業といっても、業態によって細かな仕事内容は異なるうえに、担当する業務も幅広くあります。そうしたなかで、どの場面を苦手に感じたり、ストレスになりやすかったりするのか、まずは振り返ってみることが大切です。今までの経験を見直してみることで、「接客業の○○は嫌だったけれど、△△は得意だった」など、改めて考えれば部分的には向いているように思える可能性も。それなら不得意な分野さえ克服できれば、接客業でもっと活躍できるチャンスも考えられます。少しでも辞めたいと思った時には、すぐに転職を検討するのではなく、これまでの接客シーンを思い出してみて「向いていない」と感じた原因を洗い出してみるのがおすすめ。そうすることで、もし転職を決めたとしても、次の仕事探しに活かすこともできるでしょう。
現状とは異なる業態の接客業にジョブチェンジする
接客業といえば店舗販売などのイメージが強いかもしれませんが、飲食店のサービススタッフ・受付・カスタマーサポートなど、さまざまな業態があります。もし現時点の接客業には向いていなかったとしても、業態を少し変えてみることで、もっと本領発揮して活躍できる可能性も考えられます。例えば今は接客販売をしていて、「自分から提案するのは苦手だけれど、人と話すのは好き」という場合には、受付や飲食店のサービススタッフに挑戦してみるなどの方法も。業態は異なっていたとしても、同じようにお客様に対応する仕事であれば、今までの接客業経験も活かしやすく転職する際にも有利になりやすいでしょう。元々はなぜ接客業をやりたかったのか・どんな部分にやりがいを感じられるのかなど、少しポジティブな目線で自己分析をしてみて、別の業態にジョブチェンジしてみるのもおすすめです。
接客業以外の職種にチャレンジしてみる
どうしても接客業が向いていないように感じたり、働き方を大きく変えたいと思ったりする際には、まったく異なる職種に転職してみるのも一つの方法です。例えば「もっと地道にコツコツできる仕事がいい」「黙々と集中できる作業が得意」といった場合には、倉庫・製造・清掃・配送などの現場業務や、デスクワークもおすすめ。なかでもプログラマーやシステムエンジニアなどのIT系は、人材需要が高いこともあり、完全な未経験からの採用をしている求人も多く見られます。その他にも、「接客業は辞めたいけれど、人と接するのは好き」などのケースでは、介護職をはじめとした福祉関連の仕事も考えられます。また事務職であれば、接客業とは異なるオフィスワークではあるものの、電話応対などで経験を活かせるチャンスもあります。あまりに負担に感じているようであれば、接客業以外の選択肢を選んでみるのもよいでしょう。
三重県での転職をお考えなら「オーダーメイド転職」へ
三重県で接客業からの転職を検討したい場合には、地域密着のエージェントサービスを提供する「オーダーメイド転職」の活用がおすすめ。「オーダーメイド転職」では、求人検索はもちろん、求職者と企業とのマッチングから選考対策まで全面的なバックアップをおこなっています。「職種は変えたいけれど接客経験は活かしたい」「接客業からは完全に離れて未経験の仕事に挑戦したい」など、個々の希望に応じて柔軟に転職活動をフォロー。三重県に特化した独自のネットワークをもとに、地元に根付いた優良企業などへの転職のサポートが可能です。転職でお悩みの際には、ぜひ一度「オーダーメイド転職」までご相談ください。
まとめ
接客業は、さまざまなお客様に対応していく仕事柄もあり、なかなか厳しく感じてしまう場面も多く出てきやすい職種です。特にコミュニケーション面で、高度な能力が求められやすい職種でもあり、「自分には難しいかも」と思えてしまうケースも少なくありません。ただし考え方次第では、部分的には向いていなくても、少しでも得意分野があれば接客業で活躍できるチャンスも十分にあります。もちろん接客業が向いていないと感じて転職するのもいい方法ですが、自分のなかの可能性を今一度見つけ出してみるのもよいでしょう。接客業でお悩みの際には、本記事も参考に、自分の適性がどうなのか改めて自己分析してみるのがおすすめです。