「女性活躍推進法」が制定されるなど、近年では、政府としても女性の社会進出を後押しする動きが見られています。とはいえ日本国内では、まだまだ女性の管理職は少ないのが現状で、男性に比べてキャリアアップのハードルが高いのも事実。出世するためには、確かな実力や成果はもちろん、幹部としてのさまざまな資質も求められます。そこで今回は、女性が役職を目指すためのポイントをご紹介。出世する女性に見られる特徴や、必要な考え方などを解説していきます。
役職に就ける女性に見られる特徴
ではまず、役職に就ける女性に見られやすい、代表的な能力や気質から見ていきましょう。
相手や状況に合わせて的確なコミュニケーションができる
高いコミュニケーション能力は、組織をけん引する管理職には欠かせないスキルです。また管理職になるためには、役職として周りの仲間から認めてもらうことも重要。たとえ実力があったとしても、人望がなければ管理職にはなれません。やはり周囲を巻き込んで組織を動かしていく存在となる管理職には、上下関係を問わず、相手や状況に適した会話や声かけなどができるコミュニケーション能力も必須。また女性というだけで、場合によっては、「感情的になりやすそう」「リーダーシップを執るのが苦手なのでは」などの偏見を持たれてしまうケースもあります。こうした先入観などにかかわらず、出世できる女性には、人を惹きつける高いコミュニケーション能力が見られます。役職として職場内の良好な人間関係を構築できる、相手を不快にさせたり傷つけたりしない、人との接し方や物事の伝え方を意識したコミュニケーションが大切です。
柔軟な考え方ができる
組織を取りまとめる役職には、さまざまな状況にも臨機応変に対応できる能力が求められます。周りからの視線や自らの感情などに振り回されず、常に冷静な判断をしていくためには、物事を柔軟に考えられる思考力も大切。職場内で起きるトラブルや課題に対処していくのはもちろん、特に女性は、ライフイベントなどで自らの働き方を変えていくべき場面にも直面しやすい部分があります。役職としてあらゆるビジネスシーンを乗り越えていく能力が求められるからこそ、出世できる女性には、高い柔軟性も見られやすいのが特徴。物事を柔軟に捉えられることで、感情のコントロールができたり、新たなアイデアが浮かびやすかったり、確かな対応力にもつながります。
チャレンジ精神が旺盛で向上心がある
積極的にキャリアアップを続けるためには、高い目標を持って能動的に行動していくことも不可欠です。特に女性は、どうしても結婚や出産などでキャリアが中断しやすいイメージを持たれやすく、長期的な活躍が難しいと思われがちです。こうした背景がありつつも、出世できる女性には、自分からどんどんチャレンジしていく向上心が見られます。熱意を持って主体的に動ける姿勢が伺えることで、女性ならではのライフイベントを乗り越えながらも、管理職として活躍できる人材として認められやすくなります。待ちの姿勢ではなく、自分から新たな挑戦を続けるスタンスも重要です。
自分の強みを明確に認識できている
役職として活躍するためには、自身の強みを最大限に発揮しながら、自分だからこそできるリーダー像を確立していくことも大切。出世できる女性には、自らの強みを活かしたマネジメントにより、「この人だから〇〇な組織になっている」と周りに認められることで慕われやすい傾向も見られます。また女性管理職の採用率がまだまだ低い風潮があるなかでも、役職として出世するためには、自分の強みをしっかりとアピールしていくことも重要。きちんと自らの強みを明確に認識したうえで、普段の言動にも反映していくことで、役職を任せてもらいやすくなります。
出世を目指すには?役職に就きたい女性が考えたいポイント
役職を目指すためには、ここまでに見てきたような出世しやすい女性の特徴をとらえつつ、ポジションアップに向けた意識を高めることも重要です。ここからは、役職に就くために日頃から考えておきたいポイントをご紹介します。
理想の将来像を描く
ゆくゆくは自分がどのような姿になっていたいのか、理想の将来像を見据えておくことで、出世に向けてス進むべき道筋が見えてきやすくなります。また理想の将来像が描けていると、役職を目指すなかで仮に結婚や出産などのライフイベントに応じて、転職やキャリアチェンジをする必要が出てきた場合の方向転換もしやすくなります。明確なビジョンがあれば、自分の生活環境などの状況に応じて軌道修正しながらも、出世に向けて一貫性のあるキャリアを歩むことができます。まずは役職に就いてどう活躍したいのか、具体的なビジョンを考えておきましょう。
中長期的に見たキャリアプランや目標を立てる
性別に関係なく出世を目指すためには、まずは役職に就くために現時点ではどのようなスキルや能力を身につけるべきなのか、自己分析をしていく必要があります。そして現状を把握できたら、役職に就くためには何に取り組むべきなのか、今後の自分の動き方を固めていきましょう。そのためには年単位のキャリアプランや目標を立てて、そのビジョンを実現するためにはいつまでに何をすべきなのか、逆算して必要なプロセスを設計していくことが重要。「来年までに〇〇の成果を達成する」「△△の勉強をしてスキルアップする」など、具体的な取り組みに落とし込んでいきましょう。そうすることで、ただ漠然と目の前にある仕事をするだけでなく、役職に向けて着実に近付いていくキャリアを歩むことができます。
役職に就くための転職も検討する
もし現職で役職を目指すのが難しそうであれば、もっとキャリアアップを図れる可能性が高い職場に転職するのも一つの方法です。さまざまな求人のなかには、「幹部候補」「マネージャー枠」など、役職を前提とした採用をしているケースも多く見られます。また会社によっては、女性活躍推進に力を入れている場合もあり、積極的に女性管理職を配置している場合も珍しくありません。「なかなか役職のポストが空かない」「今までに女性管理職の事例が少ない」などの状況であれば、女性の役職率が高い職場への転職を視野に入れておくのもおすすめです。
ライフイベントや将来設計の心配をしすぎない
例えば昇進試験などがある職場なら、もし役職を目指すのであれば積極的にチャレンジしていくのがベスト。女性の場合は、「出産でキャリアが途切れてしまうかも」などの懸念があり、自分から手を挙げるのをためらってしまうケースも見られます。もちろん自分のライフプランをイメージするのも大切ではありますが、あまりに心配しすぎてしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまいやすくなります。自分から可能性を狭めてしまうのではなく、「その状況になってから考えよう」というように、現状に集中するマインドを持っておくことも重要です。
まとめ
女性の社会的な活躍が注目されつつも、現実的にはまだまだ男性の管理職が多く、なかなか役職を目指すのは難しく感じてしまうかもしれません。とはいえ、女性管理職として実力を発揮しているケースもだんだんと増えてきており、しっかりと実力が認められれば役職に就けるチャンスも大いにあります。女性ならではの将来的なキャリア面での懸念もあるかもしれませんが、近年ではプライベートと両立しながら働きやすい制度を取り入れる企業も多く、女性が役職を目指しやすい環境も整ってきています。女性管理職として積極的に出世していきたい場合には、ぜひ本記事も参考に、役職に向けてどんどんチャレンジしていきましょう。