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ブルーカラー職の将来性は?AIが代替できない仕事の未来

ブルーカラー職の将来性は?AIが代替できない仕事の未来

アメリカをはじめ、国内外の若者たちの間で、現場仕事で成功を目指す動きが見られているのをご存じでしょうか?昨今で急激に台頭している、AIにも負けない硬派な職人として、海外では「ブルーカラークール」として注目を集めています。そこで今回はブルーカラー職の将来性について、AIに代替されにくい理由から、今後の需要にも期待できる職種例まで解説していきます。

AI時代にこそブルーカラー職への注目度がアップ

ブルーカラー職

近年のトレンドとして、アメリカを中心に、建設などの現場で活躍するブルーカラー職に対するニーズの高まりが話題になっています。実際にアメリカでは、建設業をはじめとしたブルーカラー職の地位向上や高所得化が進む、「ブルーカラービリオネア」と呼ばれる現象も起きています。

この動向の背景には、AIの急速な発達により、いわゆるホワイトカラー職とされる仕事の簡略化・省略化が進んでいることにあります。最近では画像生成・文章作成・データ処理など、幅広い知的活動がAIでもできるようになり、質問や指示を入力するだけで簡単に課題解決ができる対話型サービスも普及しています。こうした技術革新から、例えば資料作成や情報の分析など、ホワイトカラー職におけるさまざまな業務がAIで代替できるようになってきています。その他にもプログラミングやコーディングなど、専門的な作業も、AIで対応できるものが増えている傾向にあります。

このようにホワイトカラー職で見られる知的労働がAIに置き換わる動きから、あらためて注目を浴びているのがブルーカラー職です。特にITリテラシーの高い若者の間では、将来的な就職が保証されない大学進学ではなく、早々からブルーカラー職に就いて着実なキャリア形成を図るケースも徐々に見られています。また国内外では、SNSでもブルーカラー職の魅力を発信する投稿が数多く見られ、どんどん高い注目を集めています。

AIが台頭するなかでも、ブルーカラー職は確かな需要が見込まれる仕事として、関心が高まっている状況にあります。

AI時代にブルーカラー職が求められる理由は?

ブルーカラー職

では実際に現代のような状況において、なぜブルーカラー職が生き残りやすいとされるのか、AIに置き換わりにくい要素を見ていきましょう。

人間ならではの柔軟な判断や手作業が必要とされる

ブルーカラー職とされる、建設業をはじめとした職人仕事は、人間の手作業によって成り立っている業務が多く見られます。例えば大工でいえば、各空間に応じて加工・組み立てをしたり、美しく仕上げたりなど、さまざまな微調整をしながら作業を進めていきます。また仮に建設現場なら、資材の特性や工法などに合わせて、作業方法を工夫しつつ品質を追求していく必要があります。このように職人仕事ともいわれるブルーカラー職では、依頼された内容や現場の状況などを考慮しながら、臨機応変に作業をしていくことが求められます。また個人による経験則や、長年培ってきた熟練の技能などに左右されやすい部分もあります。AIではパターン化された処理や、大量のデータにもとづく分析・判断・指示の実行などは得意ですが、ブルーカラー職で見られるような柔軟な手作業はできません。こうしたブルーカラー職ならではの技術性は、AIでは代替しにくいとされています。

予期しない事態やトラブルが起こりやすい

建設業をはじめとしたさまざまな生産現場では、例えば急な悪天候・欠員・依頼内容の変更など、イレギュラーが起こることも多くあります。しかしAIでは、その場の状況判断が難しい部分もあり、予期しない事態やトラブルには対応できない一面も。ブルーカラー職では特殊なケースにも臨機応変に対応していく必要があり、チームで協力して解決するなど、人間ならではの思考力が求められます。現場での動きが変則的になりやすい部分もあり、ブルーカラー職は、AIに置き換わりにくいと見られています。

定型化しにくい業務が多い

担当するプロジェクトや現場は、依頼に応じて変わっていくため、案件ごとに作業方法なども異なります。特に大量生産ではない建設業などでは、あらゆる要望に応じて、自分たちの手で求められるものを生み出していく必要があります。常に同じような作業をするわけではなく、担当する案件によって業務内容も変動するため、定型化しにくい一面も。このようにパターン化するのが難しい部分から、AIに代替しにくいともいわれています。

AIに代替されにくい!将来性のあるブルーカラー職の代表例

AIのイメージ図

ではここからは、AIに置き換わらず残っていく未来に期待できる、将来性の高いブルーカラー職をいくつかピックアップしてご紹介していきます。

建設・土木現場の作業員

前述にもあるように建設・土木関連のブルーカラー職は、さまざまな現場や状況に対して臨機応変に応じていく職人仕事で、AIによる代替は難しいとされています。なお建設・土木現場における、具体的な職種として、次のような一例が挙げられます。

【大工・内装職人】
住宅を中心に、おもに木造の構造部分を施工する職人。内装の造作を手がけることも多く見られます。

【左官工】
壁・床・天井の下地、または仕上げ作業をする職人。コテを使って原料を塗り、表面をなめらかに整える技術職でもあります。

【配管工】
建物内の水道・ガス・空調などの配管を取り付ける職人。複雑な構造など、さまざまな空間に応じて工夫しながら配管をしていきます。

【鉄筋工】
鉄筋を使って建物の骨組みを施工する職人。建物の構造に合わせて、鉄筋を配置・接続しながら基礎部分を組み立てていきます。

【とび職人】
足場の組み立て・鉄骨の取り付け・コンクリートの打設など、高所作業をおもに担当する職人。建物の構造部分や、建設現場の土台を整えていく仕事です。

【型枠大工】
柱・壁・床など、建物の構造に使われるコンクリートの型枠を造成する職人。建物に合わせて、歪みなく正確に型枠を仕上げていく仕事です。

【塗装・外壁工】
塗料や板材などを使って、壁や屋根をはじめとした外観をきれいに仕上げていく職人。技術を駆使して、建物の美観や性能を高めていきます。

【電気工事士】
建物内または屋外における、各種設備の取り付けを担う職人。配置や使用状況などに応じて、危険なく設備を使えるように施工していきます。

【土木職人】
建物をはじめ、道路・橋梁・ダム・水道などのインフラ工事をする職人。用途に応じて土地を整えたり、構造物の土台部分を施工したりする仕事です。

上記のように建設・土木現場では、AIではなく、人間の手を介す必要性の高い仕事が数多くありまる。

電気主任技術者

電気主任技術者は、電気設備の点検・保安などのメンテナンスを担う専門職です。設備の監視や異常の検知など、AIでも対応できる業務も一部ありますが、電気を扱う現場では人間の柔軟な判断力が重要。漏電などのさまざまな危険をともなうこともあり、AIではなく、人間によるマネジメントが不可欠とされています。また電気主任技術者は、電気工事の現場監督を担うこともあり、人材を動かす管理能力も求められることから、AIに代替されにくいと考えられています。

施工管理

施工管理は、建設・土木の工事現場において、施工が問題なく進むように取りまとめていく専門職です。工事のプランニングをはじめ、資材の手配・作業の進捗・施工品質・現場の安全性・原価など、さまざまな管理をおこないます。現場の状況に応じて人材に指示を出したり工程を調整したりなど、臨機応変なマネジメントが求められることもあり、AIには置き換わりにくいとされています。また依頼元や協力会社など、幅広い関係者と接して関係性を構築していく仕事でもあり、AIに代替するのは難しいと考えられます。

介護職

ここまでに出てきたような、ものづくりの職人とは少し異なりますが、将来性のあるブルーカラー職としては介護職も代表例として挙げられます。特に介護職は、さまざまな利用者様にとって最適なケアをしていく必要があり、人と人とのコミュニケーションが重視される仕事です。一人ひとりの利用者様の気持ちに寄り添って、日常生活などをサポートしていく必要があり、AIには代替しにくいとされています。

その他

上記の他にも、細かな職種ではありますが、AIに置き換わりにくいブルーカラー職として、次のようなものもあります。

【造園工業・庭師】
建物の景観にも大きく影響する、庭や植栽などを造成する職人です。依頼元の要望に応じて、きめ細かやかに美観を整えていく仕事で、職人ならではの熟練技が求められます。

【植木職人】
建物の周囲や庭など、さまざまな緑地における植栽の剪定やお手入れをする職人です。全体のバランスに合わせて、見栄えをきれいにしていく技術職でもあります。

【建材職人(瓦、竹細工、板金 など)】
屋根・天井・壁・床・建具など、さまざまな建設資材を造っていく職人です。使われる建物や依頼などに応じて、緻密な手作業で仕上げていく仕事でもあります。

ここまでに見てきたように、人間ならではの技能でしか対応できないブルーカラー職は、いくつも存在しています。

まとめ

ブルーカラー職は、淡々とした肉体労働のイメージがあるかもしれませんが、高度な技術力を求められる専門性の高い部分も多く見られる仕事です。人間ならではの知恵や、きめ細やかな作業が必要とされることも多々あることから、今回見てきたようにAIには代替できない職業の代表例にもなってきています。実際に海外を中心に、高い注目を浴びている背景もあり、将来性の高い就職先として候補にしてみるのもよいでしょう。AIに奪われない、未来のあるキャリアを積みたい場合には、ブルーカラー職に進む道も視野に入れて検討してみることをおすすめします。