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未経験からITエンジニアは可能?転職活動の進め方

未経験からITエンジニアは可能?転職活動の進め方

「手に職をつけたい!」「将来性を考えてスキルアップしたい」といった場合に、デジタル化が進む現状を考えて、新たにITエンジニアを目指す道を検討するケースは珍しくありません。ただしITエンジニアといえば、高度な技術が求められる専門職のイメージもあり、なかなか大きな一歩を踏み出しづらい部分もあるでしょう。もちろん簡単に目指せるわけではありませんが、きちんと強い向上心を持って転職活動を進めていくことで、ITエンジニアへの転身が叶うチャンスは大いにあります。そこで今回は、未経験からITエンジニアを目指す際に、知っておきたい転職事情やキャリアチェンジの成功に向けたポイントを解説していきます。

未経験からITエンジニアを採用する企業も多く存在している

未経験のイメージ図

特に近年はコロナ禍の影響などもあり、社会全体として急速にIT化が進み、AIをはじめとした技術革新のスピード感もどんどん増しているのが現状。さまざまなシステムやツールなど、今後もIT需要は絶えない見込みで、エンジニアの必要性も高まっていくと予想されています。

実際に経済産業省の発表では、2030年頃には、最大で約79万人ものIT人材が不足するとのデータも。(※1)このように世の中のITエンジニア職そのもので人手が足りていない状況で、業界全体として慢性的に人材が求められています。

こうした背景もあり、数多くの企業でITエンジニアの人材確保が難しくなっていることから、育成を前提として未経験者を採用するケースも多数。各種転職サイトなどでも、「未経験者歓迎」としているITエンジニアの求人は多々見られます。ITエンジニア職はどんどん世の中で求められていく仕事だからこそ、新たに挑戦できる可能性は非常に高く、未経験から目指せるチャンスも大きくあるといえます。未経験だからといって気おくれしすぎずに、まずはチャレンジしてみることも考えてみましょう。

(※1) 経済産業省「IT人材需給に関する調査」

未経験からITエンジニアを目指す時に知っておきたい現実とは?

ITエンジニア

前述にもあるように、未経験のエンジニア人材を採用している企業は一定数存在しているものの、決して単純にハードルが低いわけではありません。イチから新たに目指すからには、ITエンジニアとして着実にキャリアを積み重ねていく心がまえも必要です。では実際にITエンジニアのような専門職への転職を希望する際に、あらかじめ想定しておきたい実態から見ていきましょう。

基本的なスキルや知識が前提となる求人もある

ITエンジニア職では、他の業種では取得するのがなかなか難しい、専門性の高い知識やスキルが求められます。そのため未経験者を募集している求人であっても、ITエンジニアとしての基本的な土台となるような、ある程度の素養が必要とされるケースも。例えば「独学でIT関連の知識を勉強したことがある人」など、未経験者募集でも一定の条件が設けられている場合もあります。あくまで「IT系の実務に携わったことがない=未経験」と定義している求人もあり、前提としてどの程度のレベルが必要なのか、あらかじめ応募条件は細かく確認しておきましょう。

明確なキャリアビジョンや強い意思がないと続けるのが難しい

先ほどからも出てきているように、高度な技術力が求められるエンジニア職では、主要な業務に携わるためのスキル習得までに時間がかかります。特にまったくの未経験からチャレンジする際には、必要なノウハウを身につけるための勉強や練習など、根気よく取り組む姿勢がないとなかなか厳しい一面も。場合によっては、なかなかスキル習得までの壁が越えられずに、「自分には合いそうにない」など早期退職につながってしまうケースもあります。そもそもITエンジニアとしての腕を磨くには、かなりの鍛錬が欠かせないことは頭に入れておきましょう。

またIT企業のなかには、SESと呼ばれる、技術者派遣の事業形態も数多く見られます。SESとは、システム開発などの依頼をする客先の現場に常駐して、さまざまな作業をおこなうサービスを指します。こうしたSESのIT企業では、基本的には人材の需要に応じて案件が割り振られるため、なかなか希望するプロジェクトを担当できない場合も。「ステップアップしたくても難易度の低い作業しかできない」など、思うようなキャリアを積むのが難しいこともあります。例えば「自分なりに学びながら業務経験も積んで、ゆくゆくは上流工程ができる会社に転職しよう」など。明確なビジョンがないと、スキルアップや長期的な活躍はしづらい可能性もある点には注意しましょう。

育成期間を長く確保できる若手が採用されやすい

前述にもあるようにITエンジニアのような専門的な技術職では、必要なスキルを身につけるのには時間がかかるため、企業側としてもある程度の育成期間を設けることになります。そうなると単純に、定年までの現役で活躍できる年数が長く、長期的な育成期間を確保しやすい若手層が採用されやすい一面も。例えばマネージャー職など、ゆくゆくはハイポジションを任せられる人材育成をしたい場合には、じっくり育てやすい若手が選ばれやすい部分もあります。年齢が高くなるにつれて、IT分野の基本的なノウハウや今までの業務経験で培った能力など、採用に影響しやすくなる可能性もある点は覚えておきましょう。

ITエンジニアの仕事に活かせる実績や経験が重視されやすい

専門性が高い分、ITエンジニアになるための基礎力やポテンシャルから採用されるケースも少なくありません。少しでも関連性のある実績や経験があると、比較的有利になりやすい可能性もあります。例えば「エンジニアではないものの、IT商材の営業をしていた」など。その他にも、仮に経理や人事などの管理システムを手がけるIT企業なら、その業務に携わった経験や知識が活かせる場合もあります。今までの職務経歴をしっかりと振り返ってみて、何か自分なりに培ってきたノウハウが次にも活かせないか、あらかじめ分析しておくと転職先選びや採用選考にも役立ちやすいでしょう。

未経験からITエンジニアへの転職を成功させるために効果的なステップ

ITエンジニア

では未経験からITエンジニアを目指すにあたり、きちんと転職を成功させて、今後のキャリアにつなげていくためのコツをご紹介していきます。

どのようなITエンジニアになりたいのか方向性を定める

ITエンジニアといっても、実際に細かく分けると職種は幅広くあり、まずはどのような仕事がしたいのか見極めることも重要です。ちなみにITエンジニアの職種としては、次のような例があります。

  • プログラマー:設計書をもとに、システムやアプリを動かすための指示を書き出し、各機能を組み立てる工程を担当
  • テストエンジニア:おもに製品の動作確認やエラーチェック、修正対応などを担当
  • ネットワークエンジニア:通信環境の構築や保守など、インターネットの回線や各種機器の設計・管理などを担当
  • サーバーエンジニア:動作処理やデータ保管などシステムを運用する、サーバーの設計・構築や保守などの管理全般を担当

なおITエンジニアの入門となるのは、実際にシステムなどの製造作業を担うプログラマーです。プログラマーから経験を積んで、ゆくゆくはシステム自体の仕様や設計の企画段階から対応する、システムエンジニアを目指すケースが多く見られます。

未経験から応募できるITエンジニアの求人を探してみる

自分の目指したいITエンジニアとしての方向性が見えてきたら、そもそもどのような求人があるのか、実際にリサーチしてみましょう。もし自分に合いそうな職場があればリストアップして、それぞれの募集要項など細かくチェック。また最初から一つの会社だけに絞ってしまうのではなく、いくつか候補を見つけて、比較検討してみるのがベストです。「A社は○○だけれど、B社は△△」など、各社の違いを見比べることで、より自分の希望条件に合致した転職先が見つけやすくなります。まずは未経験から挑戦できる求人を探してみて、転職のイメージを明確にしていきましょう。

転職エージェントに相談してみる

特に未経験の場合は、自分の今の段階で、実際にどのような求人に応募できるのか判断が難しいこともあるでしょう。その際には、転職のプロからのバックアップが受けられるエージェントサービスを利用するのがおすすめ。求人検索から選考に向けた事前準備など、転職エージェントより全面的にフォローしてもらうことができます。未経験からでもきちんと採用につながるように、各求職者にとってベストな企業選びや対策など、さまざまな手助けをしてもらうことが可能。未経験からITエンジニアを目指すのに、より適した職場を選べるメリットがあります。

なお「オーダーメイド転職」では、三重県に特化した、地域密着型のエージェントサービスを提供しています。未経験からITエンジニアを目指すのに最適な、三重県の地元優良企業とのマッチングもサポートしますので、ぜひご活用ください。

応募したい企業について十分に調査しておく

未経験からITエンジニアとしての確かなキャリアを積むには、きちんと長期的に活躍できる職場を見つける必要があります。じっくりとスキルを磨ける環境に身を置くためにも、応募してみたい候補が見つかったら、十分な企業研究をしておくことも不可欠。事前調査が足りていないと、例えば「社風が自分に合わない」「十分な教育が受けられずにノウハウが身につかない」など、場合によっては入社後に後悔する可能性もあります。早期離職にならないためにも、できる限り情報収集をしておくのがベストです。

なかには人材不足により、過酷な労働環境になっているケースも。口コミなども含めて徹底的にリサーチし、できるだけリアルな実態を把握しておきましょう。研修制度や福利厚生などの他、前述にも出てきたSESなのか自社の受託開発なのか、各企業の事業形態によっても働き方は変わります。あらかじめ自分の理想とするキャリアビジョンもイメージしながら、より最適な転職先なのか見極めていきましょう。

ある程度の予備知識はあらかじめ習得しておく

企業によっては、IT分野の基礎知識が応募条件となっているケースもあり、大前提として自己学習が必要な場合も。そうでないにしても、ある程度の予備知識がないと採用選考で戸惑ったり、なかなか内定がもらえなかったりする可能性もあります。例えばITエンジニアの専門用語がわからないと、面接時に出てきた場合にうまく受け答えできないケースも想定されるため、自分なりに少しでも学習しておくことは重要です。インターネットで調べたり参考書を見たりなど、ITエンジニアを目指す土台として、基本的な専門知識は多少でも学んでおくことをおすすめします。

志望動機を明確にして選考に向けた対策をしておく

ITエンジニアに限らず、未経験からの採用を目指すには、いかにして各企業に貢献できるのかアピールすることが大切です。たとえIT分野の専門的な知識やスキルはなくても、今までの経験や意欲などによって、自分自身が戦力として活躍できる人材であることを示す必要があります。そのためにも選考対策の肝として、まずはITエンジニアを目指す志望動機を明確にしておきましょう。挑戦してみたいと感じたキッカケなどはもちろん、今後どのようなキャリアを歩みたいのか、具体的な将来像まで深掘りしておくと説得力も高まります。そのうえで、自分がどういった人材として力を発揮できるのか、採用選考時にしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。

まとめ

現在はIT需要の高騰や人手不足などの背景もあり、エンジニアとして活躍できる人材を求める企業は数多く存在しています。またITエンジニア職の必要性の高さから、これまでの経験やスキルなどに関わらず、初心者から採用しているケースも少なくありません。とはいえ未経験からITエンジニアを目指しやすい状況にはあるものの、やはりその専門性の高さもあり、少なからず転職のハードルがあるのも事実です。ただしITエンジニアにキャリアチェンジするための十分な準備をしておけば、転職が成功する可能性は十分にあります。もし未経験からITエンジニアへのチャレンジをお考えであれば、ぜひ本記事も参考に、新たなキャリアに向けた転職活動に踏み出してみてください。