
- 「30代の昇給額は平均でどのくらい?」
- 「毎年5,000円程度しか上がらないけれど、これは少ない?」
- 「20代や40代と比べて、30代の昇給額は高い?」
昇給の時期になると、自分の給与の上がり幅が平均と比べて多いのか、少ないのか気になる方も多いのではないでしょうか。
転職サービスdodaが2026年に公表した調査によると、2025年中に基本給が上がった人の平均昇給額は15,325円でした。
年代別では、20代が13,739円、30代が16,124円、40代が15,426円、50代が14,942円となっており、30代の平均昇給額が最も高くなっています。
ただし、昇給額は年齢だけで決まるわけではありません。企業規模や業界、役職、人事評価、会社の賃金制度などによって大きく異なります。
この記事では、30代の平均昇給額を中心に、20代・40代との違いや昇給額に差が出る理由、自分の昇給額が少ないと感じたときの考え方について解説します。
30代の昇給額の平均はいくら?

30代の平均昇給額は16,124円
dodaが22~59歳の正社員5,154人を対象に実施した調査では、2025年中に基本給が上がった30代の平均昇給額は月16,124円でした。
全年代の平均は15,325円だったため、30代は全体平均よりも799円高い結果です。
仮に基本給が月16,124円上がり、その状態が12カ月続いた場合、単純計算では年間の基本給が約19万3,000円増えることになります。
ただし、この数字を見る際には注意が必要です。
dodaの調査は、2025年中に基本給が上がった人を対象とした昇給額の平均です。
すべての30代会社員が毎年16,000円程度昇給しているという意味ではありません。実際には昇給がなかった人や、会社の業績などによって給与が変わらなかった人もいます。
そのため、自分の昇給額を比べる際は、あくまで一つの目安として考えましょう。
日本全体では賃上げの動きが続いている
厚生労働省の「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」では、2025年の1人平均賃金の改定額は13,601円、改定率は4.4%でした。
前年の11,961円・4.1%から、改定額・改定率ともに上昇しています。
ただし、この数字には定期昇給だけではなく、ベースアップなどによる賃金改定も含まれます。
そのため、
「30代の平均昇給額」と「企業全体の平均賃金改定額」
は同じ数字ではありません。
年代別の目安を確認するときはdodaなどの年代別調査、社会全体の賃上げ傾向を見るときは厚生労働省の統計というように、目的に合わせて使い分けることが大切です。
20代・30代・40代の平均昇給額を比較

20代の平均昇給額は13,739円
20代の平均昇給額は13,739円です。
30代の16,124円と比較すると、2,385円低い結果となっています。
20代は入社後の経験を積みながら、毎年段階的に給与が上がっていく時期です。
一方で、基本給自体が30代や40代より低いケースも多いため、金額ベースでは昇給額が小さくなることがあります。
20代後半になると、担当業務が増えたり、主任やリーダーなどのポジションを任されたりすることで、昇給幅が大きくなる人もいるでしょう。
30代の平均昇給額は16,124円
30代の平均昇給額は16,124円で、20代・30代・40代・50代の中では最も高い結果となっています。
30代になると、単純な勤続年数による昇給だけではなく、
- 主任やリーダーへの昇格
- 担当業務の拡大
- 専門スキルの向上
- マネジメント業務
- 人事評価による昇給
などが給与に影響しやすくなります。
20代で身につけた経験やスキルが評価され、給与に反映され始める年代ともいえるでしょう。
40代の平均昇給額は15,426円
40代の平均昇給額は15,426円です。
30代との差は698円で、大きな差はありません。
一方で、40代になると役職やキャリアによる個人差が大きくなります。
管理職への昇進によって給与が大きく上がる人がいる一方、会社によっては年齢が上がるにつれて定期昇給の幅が小さくなることもあります。
そのため、40代では毎年の昇給額だけでなく、役職手当や賞与などを含めた年収全体で考えることも重要です。
昇給額は年齢以外でも大きく変わる

企業規模によって昇給額に差がある
dodaの調査では、企業規模別の平均昇給額は以下のようになっています。
・1~99人:11,302円
・100~999人:14,021円
・1,000人以上:18,389円
1~99人の企業と1,000人以上の企業では、平均昇給額に7,087円の差があります。
つまり、同じ30代でも勤務している企業の規模によって昇給額が大きく異なる可能性があります。
「30代の平均より低い」というだけで判断するのではなく、自分と近い規模の会社と比較することも大切です。
業界によって賃上げ幅が異なる
給与水準や賃上げの状況は業界によっても異なります。
厚生労働省の2025年調査では、1人平均賃金の改定額は、建設業が20,724円、製造業が15,952円、情報通信業が14,096円、医療・福祉が5,589円でした。
これは30代だけを対象にした数字ではありませんが、所属する業界によって賃金の上がり方に違いがあることが分かります。
人事評価や役職によって変わる
同じ会社・同じ年代でも、全員が同じ金額だけ昇給するとは限りません。
成果や能力を重視する会社では、人事評価によって昇給額に差を設けている場合があります。
また、30代は主任、係長、チームリーダーなどへの昇格が増えてくる年代です。
基本給そのものの昇給に加えて役職手当が付くことで、給与が大きく増えることもあります。
定期昇給とベースアップは違う
昇給を考えるときに知っておきたいのが、定期昇給とベースアップの違いです。
定期昇給は、勤続年数や年齢、能力、評価などに応じて個人の給与を上げる仕組みです。
一方、ベースアップは会社全体の賃金水準そのものを引き上げることを指します。
たとえば、
「定期昇給5,000円+ベースアップ8,000円」
であれば、結果として基本給が13,000円上がることがあります。
ニュースなどで「賃上げ5%」と報道されていても、そのすべてが個人の定期昇給を意味するわけではない点には注意しましょう。
30代の昇給額が多いか少ないか判断するポイント

昇給額だけでなく昇給率を見る
昇給を確認するときは、金額だけではなく割合も確認してみましょう。
昇給率は、
昇給額 ÷ 昇給前の基本給 × 100
で計算できます。
たとえば、基本給25万円で1万円昇給した場合は4%アップです。
一方、基本給40万円で1万円昇給した場合は2.5%アップになります。
同じ1万円の昇給でも、元の給与によって意味は異なります。
3~5年間の給与推移を見る
1年間だけの昇給額で会社の待遇を判断するのではなく、数年間の給与推移も確認しましょう。
確認したいのは、
- 毎年どの程度基本給が上がっているか
- 昇格による給与アップがあるか
- 今後も給与が伸びる制度になっているか
といったポイントです。
一度の昇給額が小さくても、毎年安定して給与が伸びている会社もあります。
同業種・同職種と比較する
30代では、年齢よりも経験やスキルによって年収差が広がりやすくなります。
そのため、「30代の平均昇給額」と比較するだけでなく、自分と同じ職種や経験年数の人がどの程度の年収を得ているのか確認することも重要です。
現在の会社で毎年昇給していたとしても、転職市場では同じ仕事内容でより高い給与が提示されている可能性があります。
今後の昇格・年収アップも考える
現在の昇給額だけではなく、5年後、10年後の給与も考えてみましょう。
たとえば、
「主任になるといくら上がるのか」
「管理職になった場合の年収はいくらか」
「専門職として昇給できる制度があるか」
などを確認します。
30代は、目先の数千円の昇給よりも、今後のキャリアでどこまで年収を伸ばせるかが重要になる年代です。
30代で昇給額が平均より少ないときに考えたいこと

会社の昇給制度を確認する
まずは、自社の給与規定や人事評価制度を確認しましょう。
昇給基準が明確な会社であれば、
「どの評価を取れば給与が上がるのか」
「次の等級に上がるために何が必要なのか」
を確認することで、今後の目標を立てやすくなります。
必要なスキルや役割を確認する
30代では、与えられた仕事をこなすだけでなく、
- チームをまとめる
- 売上や利益に貢献する
- 専門性を高める
- 後輩を育成する
- 業務改善を行う
といった役割を求められることがあります。
会社が評価するスキルや成果を理解し、自分の役割を広げることで昇給につながる可能性があります。
給与以外の待遇も比較する
昇給額が低いからといって、必ずしも待遇の悪い会社とは限りません。
給与以外にも、
- ボーナス
- 住宅手当
- 家族手当
- 退職金
- 年間休日
- 有給休暇
- リモートワーク
- 残業時間
などを含めて比較しましょう。
昇給額は低くても、福利厚生や働きやすさまで含めると条件の良い会社もあります。
転職した場合の年収を調べる
現在の会社で大きな昇給が期待できない場合は、転職市場で自分がどの程度評価されるのか調べてみるのも一つの方法です。
転職活動を始めたからといって、必ず転職する必要はありません。
求人情報を確認したり、人材紹介サービスに相談したりすることで、現在の給与が市場相場と比べて高いのか低いのか判断しやすくなります。
特に30代は、これまでの実務経験や専門性を評価されやすい年代です。
今後の年収アップが期待できない場合には、現在の会社に残った場合と転職した場合を比較してみるとよいでしょう。
30代の平均昇給額に関するよくある質問
30代で昇給5,000円は少ない?
dodaの調査による30代の平均昇給額16,124円と比較すると、5,000円は平均を下回ります。
ただし、この平均は「基本給が上がった人」を対象とした数字です。また、企業規模や業界によっても昇給額は異なります。
5,000円という金額だけで判断せず、昇給率や数年間の給与推移、同業他社の年収なども確認しましょう。
30代で毎年1万円昇給するのは多い?
月額1万円の昇給が続けば、基本給は年間で12万円増える計算です。
dodaの30代平均16,124円と比較すると金額では下回りますが、毎年安定して1万円ずつ基本給が増えているのであれば、中長期の給与推移まで含めて判断する必要があります。
20代の昇給額の平均はいくら?
dodaの調査では、20代の平均昇給額は13,739円です。
30代の16,124円より2,385円低い結果となっています。
40代の昇給額の平均はいくら?
40代の平均昇給額は15,426円です。
30代との差は698円で、年代だけで見ると大きな差はありません。
30代は平均昇給額だけでなく将来の年収も確認しよう
2025年中に基本給が上がった人を対象としたdodaの調査では、30代の平均昇給額は16,124円でした。
20代は13,739円、40代は15,426円となっており、今回の調査では30代が最も高い結果となっています。
ただし、実際の昇給額は企業規模や業界、役職、人事評価などによって大きく変わります。
そのため、平均より昇給額が少なかったとしても、すぐに「給与の低い会社」と判断する必要はありません。
30代では、
- 現在の昇給額
- 数年間の給与推移
- 今後の昇格可能性
- 同職種の市場年収
- 現在の会社で働き続けた場合の将来年収
まで含めて考えることが重要です。
現在の会社で今後も給与アップが期待できるのか、自分の経験やスキルが適正に評価されているのかを確認し、必要に応じて今後のキャリアや転職について検討してみましょう。