
ビジネスシーンをはじめ、幅広い場面でオンライン化が進んでいる現代では、自宅などで仕事ができるリモートワークも増えてきています。実際にオフィスに出社せずに働けることで、ストレス感を減らせることも多く、「リモートワークにしたい!」と思うこともあるでしょう。そこで今回は、リモートワークができる職種やそれぞれの仕事の特徴などを解説していきます。
そもそもリモートワークの定義は?

リモートワークは、和訳して「遠隔(リモート)」と「仕事をする(ワーク)」をかけ合わせた言葉で、特定のオフィスに出社せずに業務を遂行する働き方です。自宅をはじめ、コワーキングスペースやカフェなど、オフィスから離れて仕事をするスタイル全般を指します。なかには、都心から離れた小規模拠点(サテライトオフィス)で働くことも含めて、リモートワークとしている企業も。とはいえ多くの場合は、オフィスではなく自宅などで仕事をする勤務形態を、リモートワークとするのが一般的です。
また似たような用語として「テレワーク」もありますが、リモートワークとほぼ同義で、基本的には単純な呼び方の違いと考えて問題ありません。
ちなみにリモートワークと同様の意味合いで、企業によっては「在宅勤務」との言い回しをしているパターンもあります。なお在宅勤務とは、厳密にはオフィスに出社しない勤務形態のうち、自宅で仕事をするケースに限った働き方となります。ただしこうした細かなニュアンスに関わらず、「在宅勤務=リモートワーク」としている企業が多数派となっています。
リモートワークがしやすい業界はある?
特定の拠点に出社せずに働くには、その現場にいなくても業務を担当できる仕事に限られます。そのためリモートワークのしやすさは、業界ごとに異なる部分もあります。なお総務省の調査(※1)によると、各業界のリモートワーク導入率として、次のようなデータが出ています。
- 建設業:54.2%
- 製造業:50.6%
- 運輸・郵便業:31.4%
- 卸売・小売業:40.1%
- 金融・保険業:84.5%
- 不動産業:69.5%
- 情報通信業:94.3%
- サービス業・その他:41.5%
業界別に見てみると、金融・保険業や情報通信業で、リモートワークがしやすい傾向が見られます。特にリモートワークの導入率が低いのは、「運輸・郵便業」「卸売・小売業」「サービス業・その他」。いずれも、荷物を運んだり接客したりなどの現場業務が多くなることから、リモートワークは難しくなりやすいでしょう。
リモートワークによるメリット・デメリット

ではここからは、リモートワークの働き方を選ぶことで、どのようなメリット・デメリットが考えられるのか簡単に整理してみましょう。
リモートワークならではのメリット
リモートワークによって、オフィスに出社せずに働くことで、次のようなメリットが得られます。
- 通勤に使う時間を省略できる分、出勤までに余裕がある
- 通勤時の満員電車や、渋滞などのストレスから解放される
- 退勤後、すぐに次の予定に移ることができる
- 場所に関係なく働けるため、地方移住などの引越しもしやすい
- 周囲を気にせず、自分の好きな空間や格好で仕事ができる
- 人間関係のわずらわしさが軽減されやすい
- 自分のペースで黙々と業務を進めやすい
リモートワークでは出社を省いた効率的な勤務形態となる分、プライベートと無理なく両立できたり、比較的自由に仕事がしやすかったりするのが大きな利点です。
リモートワークで注意しておきたいデメリット
リモートワークにはさまざまな魅力がある一方で、次のように、注意しておきたいデメリットもいくつかあります。
- 周りの目がないなかで、自らの意思で業務に集中する必要がある
- 自分一人で業務を進める分、作業計画などの徹底した自己管理が不可欠
- 仕事に取り組む過程が評価されにくく、数字などの明確な成果を求められやすい
- 周囲との連携が取りにくく、トラブルや課題の相談がしづらい・対応に時間がかかる
- 社内のコミュニケーションが薄れるため、孤独感を覚える可能性がある
- ずっと自宅にこもっていると、仕事との境目を感じにくく、オンオフの切り替えが難しい
リモートワークでは、基本的に自分自身で仕事を完結していくため、自らで業務をコントロールしたり難しい対応をしたりしなければならない部分も。柔軟に働きやすい分、自律した働き方が求められやすい一面があります。
リモートワークでおすすめの職種9選!それぞれの仕事の特徴は?

ではここからは、実際にリモートワークができる職種の一例をいくつかピックアップしてご紹介。それぞれの仕事の特徴をはじめ、職種ごとのメリット・デメリットなども含めて解説していきます。
ITエンジニア
システム開発を中心として担当するITエンジニアは、パソコンのみで業務を遂行できるケースが多く、リモートワークができる職種の代表例といえます。なおITエンジニアのなかでも、リモートワークができる仕事として多いのが、システムエンジニア(SE)やプログラマー(PG)。また最近では、人工知能の学習をコントロールしたり、ITツールに組み込んだりするAIエンジニアの需要も増えてきています。ちなみにAIエンジニアは、システムエンジニアやプログラマーから、キャリアアップとして目指すケースも。こうしたキャリアパスがあることから、高い将来性を見据えながらリモートワークができるのもメリットです。
またIT業界は慢性的な人材不足の影響もあり、専門職ではあるものの、未経験からチャレンジできる求人も多々見られます。ただし高度な能力が必要とされる分、スキル習得までに期間がかかりやすく、確かな技術が身につくまで出社となる場合も考えられる点には注意が必要です。
SNS・広告運用、Webマーケティング
SNSへの投稿をはじめ、広告などの各媒体における効果測定やデータ分析、市場のリサーチなどをおこなう職種となります。コンテンツを制作したり、ユーザーの動向を調査したりなど、基本はデスクワークとなるためリモートワークができることも多いのが特徴です。なお企業によって異なるものの、SNSなどを動かす運用業務と、消費者のニーズを調べるマーケティング業務のどちらかに特化しているケースもあります。
また各企業やブランドの広報として活躍できる場合も多く、特にSNS運用に特化した担当業務であれば、自由な発想を活かしながら仕事ができるチャンスもあるのがメリット。ただし結果が数値に表れやすく、成果主義になりやすい可能性がある点には注意が必要です。
グラフィックデザイナー
パンフレットやチラシなどの紙媒体をはじめ、商品パッケージ・各企業やブランドのロゴ・ノベルティグッズなど、さまざまな視覚表現を創造する仕事です。また広告用の画像やバナーなどを制作するケースもあります。いずれにしても、パソコン上での企画・立案や制作などが中心となるため、リモートワークで担当できるパターンも多々見られます。
なお場合によっては各企業のマスコットなどを手がけることもあり、イラストレーターとしての側面を持つことも。自分なりの発想を活かして活躍できるメリットがある分、高いクリエイティビティが必要とされるため、専門的なスキルがないとチャレンジするのは難しい一面があります。
Web制作
各企業や商品・サービスなどに関連する、さまざまなWebサイトを作る仕事です。こちらも閲覧者の傾向を分析したりデザイン案を練ったりなど、デスクワークで完結しやすく、リモートワークができる求人も多い特徴があります。
またWebデザイナーとも呼ばれる職種ですが、先ほども出てきた、グラフィックデザイナーとは性質が大きく異なります。Web制作では、操作しやすく見やすい、サイト画面を設計していくのが基本です。例えば画像やボタンのレイアウトや、問い合わせや購入などの行動を促す導線などを考案します。そのためグラフィックデザイナーに比べて、ゼロから新しいアイデアを練るクリエイティブな要素が少なく、未経験から挑戦できる求人も多々見られるのがメリット。ただしサイト本体を構築するコーディング作業が求められる場合もあり、スキルの習得に時間がかかりやすいケースもある点には注意が必要です。
ライター、編集者(ディレクター)
Webメディアを中心として、掲載する記事などの制作を担うライターや編集者(ディレクター)も、リモートワークがしやすい職種となります。基本的にはコンテンツの企画・立案や執筆など、パソコン1台あれば対応できる業務が多く、リモートワーク化しているケースも多々見られます。場合によっては取材や打ち合わせをともなうこともありますが、最近ではすべてオンラインでおこなうパターンも多く、リモートワークでも活躍しやすいが特徴です。
なお編集者は、各メディア・コンテンツのコンセプト設定や、案件の進行管理などの上流工程を担当するため、即戦力として経験者が求められやすい一面もあります。一方でライターは特にWeb系では未経験からできる求人も多いメリットはありますが、柔軟な働きやすさがしやすく人気も集まりやすいため、競争率は高い可能性が考えられます。またライターでは、基本的な文章力などを精査する意味で、ポートフォリオ(制作実績やサンプル)が求められるケースもあります。
営業
特にコロナ禍以降では、Webでの会議や打ち合わせなど非対面のコミュニケーション手法が普及し、オンラインミーティングができるITツールも発達しました。そこで営業職におけるオンライン化も進み、見込み顧客の獲得から商談・成約まで、Webで完結するスタイルも多くなってきています。
なおリモートワークができる営業職としては、一般的にはインサイドセールスやアポインターとも呼ばれる、問い合わせ窓口や商談の機会獲得などを担う職種が多々見られます。もちろんなかには、契約締結や外勤をともなう場合でも、リモートワークとして自分の裁量で営業ができるケースもあります。
いずれもリモートワークで効率的な働き方がしやすいメリットはありますが、特に完全オンラインでは非対面となるため、顧客の様子が伺いづらく対応が難しくなりやすい一面も。また自由度が高い分、数字による成果が求められやすく、プレッシャーを感じやすい可能性も考えられるでしょう。
カスタマーサポート
顧客からの問い合わせや相談に応対するカスタマーサポートは、コールセンターに出社するイメージが強いかもしれませんが、最近ではリモートワーク化しているケースも多々見られます。
近年では、電話受付のシステムやクラウドサービスなどのITツールが発達し、コールセンター業務で在宅勤務を取り入れる場合も珍しくありません。こうしたコールセンター業務では、各自のパソコンやスマートフォンに電話を転送し、遠隔で応対できる仕組みになっています。さらにカスタマーサポートの手法として、昨今はチャットを導入するパターンも多く、テキストのみのやり取りでリモートワーク化している場合もあります。
ただしリモートワークで柔軟に働きやすいものの、社内でのコミュニケーションが取りづらく対応に悩んだ時に困ってしまうことも。また未経験求人も見つかりやすいのはメリットですが、自分自身だけで対応していくのに不安を感じる可能性もあります。
事務、秘書
事務や秘書のようなバックオフィス業務も、デスクワークで完結できる場合が多く、リモートワークもしやすい職種です。前述のカスタマーサポートでもあるように、最近ではオフィスにいなくても電話応対なども含めて遠隔で対応できることから、バックオフィス業務の働き方も柔軟になっています。特に近年では「オンライン秘書」と呼ばれるサービスも出てきており、業務委託などで、より自由度の高いワークスタイルにできるケースもあります。
また専門性がなくてもスタートしやすく、未経験からチャレンジしやすいのもメリット。ただし求人としての競争率が非常に高く、採用難易度が高くなりやすい一面がある点には注意しましょう。
コンサルタント
コンサルタントは、おもにクライアントの事業課題に対し、解決するための対策やプロセスを考案する職種です。経営戦略、業務改善、DX推進(IT導入)、人材採用・開発など、さまざまな分野で求められる仕事でもあります。
クライアントとの面談などの対人業務はあるものの、最近ではオンラインで対応するケースも多く、リモートワークで活躍できる場合も多々見られます。ただ自分自身の裁量で、業務を調整しながら働きやすいメリットはあるものの、仕事自体の難易度は高くなりやすい一面も。各分野における深い知見が必要とされるため、未経験からスタートできる求人は見つかりにくい可能性もあります。なかには未経験から採用しているものの、一定レベルまで業務を習熟するまでは、出社してスキルを磨いていくパターンも多く見られます。
まとめ
コロナ禍などの影響もあり、非接触の勤務形態が急速に広まった昨今、オフィスに出社しないリモートワークを取り入れる企業も多くなりました。また働き方改革の一環として、柔軟に働きやすいスタイルとしてリモートワークを導入するケースも見られます。さまざまな仕事でリモートワークができるようになっていますが、基本的にはオンライン化できる業務に限定される一面も。リモートワークができる仕事を検討したい場合には、ぜひ本記事も参考に、どのような職種にすべきか検討してみてください。