「自分の視野を広げてみたい」「今のままの仕事でいいのか悩む」「もっと高収入を目指したい」など、製造業からのキャリアチェンジを検討するケースは幅広く考えられます。とはいえ、製造業から新しい分野へチャレンジするにしても、「せっかくなら今までに培ってきた経験を活かしたい」と考える場合も多いでしょう。実際に製造業では、担当業務によっても異なりますが、日々の仕事を通じてさまざまなスキルを磨くことが可能。そうして蓄積してきたノウハウをもとに、新たにキャリアチェンジをできるチャンスは十分にあります。そこで今回は、製造業からのキャリアチェンジに向けて、知っておきたい転職時のポイントを解説していきます。
ものづくりの仕事で培った経験を活かした転職をするには?
製造業では、きちんと顧客のニーズに応える商品の生産に向けた、さまざまな工程や役割が存在します。そのため製造業は、自身ではあまり認識していなくても、実際には幅広いスキルが身につく仕事でもあります。ではこうした経験を存分に活かしたキャリアチェンジを叶えるために、転職活動時に意識しておきたいコツをご紹介します。
今までの業務実績や習得したスキルを振り返る
まずはキャリアチェンジに向けた転職において、どのような経験が活かせるのか把握しておくことが不可欠。今までにはどのようなポジションで、どう活躍してきたのか、自分の実績を洗い出してみましょう。さらにこれまでの業務を通じて、自分のなかで何ができるようになったのか、習得できたスキルを見直すことも大切。作業で必要とされる技術面だけでなく、例えば「周りの仲間と協力できる」「スケジュールの管理が得意」など、社会人としての基礎力となるスキルも重要です。ちなみに製造業において身につきやすく、なおかつ他の業界でも活かせるスキルの例としては、次のようなものが挙げられます。
- 課題解決力(機械不調時や品質不良の原因究明・対処 など)
- マネジメント力(作業分担、人員配置の調整、生産計画 など)
- 臨機応変性(機械トラブル時や納期変更時の対応 など)
- コミュニケーション力(周囲との連携、情報共有 など)
- 論理的思考(業務改善や作業効率化への対策 など)
あくまで一例ですが、上記のような経験にもとづくスキルは、幅広い業界や職種にも役立ちます。
何年か先まで見据えたキャリアプランをイメージする
新しい分野へのキャリアチェンジを図るにあたっては、実現したいキャリアプランを立てておくことも重要です。そもそも自分の理想とする将来像があいまいだと、キャリアチェンジの方向性も定まりづらく、転職できたとしても思うような仕事ができない可能性もあります。まずはなぜ製造業からキャリアチェンジしたいのか、そしてゆくゆくはどのような働き方をしていきたいのか、先を見据えながらイメージしてみることも欠かせません。例えば「○○の仕事で△△の経験を活かしながらノウハウを磨いて、3年後には□□の業務にも携わってみたい」など、ざっくりとした目標から考えてみましょう。また未経験から他の業種や職種に挑戦する場合には、こうしたキャリアプランは、転職活動時の志望動機にも落とし込むことができます。書類選考や面接の対策も含めて、自分なりのキャリアプランを想定しておくことも大切です。
志望する業界や企業の情報を十分にリサーチする
新たに挑戦してみたい仕事のイメージができ、志望する業界や企業の候補が出てきたら、本当に今の自分に適しているのか見極めることも欠かせません。実際に志望する業界や企業では、どのようなビジネスをしていて、どういったスキルや人物像が求められるのか調べてみることも重要。そして自分が製造業で培ってきた経験や強みが活かせそうなのか、入社後の活躍をイメージしてみましょう。もちろん実務に就いてみないとわからない部分もありますが、あらかじめ十分にリサーチをしておくことで、入社後のギャップ感は少なくなります。自分にマッチしそうな業界や企業なのか判断するためにも、徹底した事前調査をしておきましょう。
転職エージェントを活用する
キャリアチェンジを目指したい時には、転職のプロに相談できるエージェントサービスを使うのもおすすめです。新たにキャリアチェンジをしようと思っても、「どのような業界が合っているのかわからない」「自分の強みを見出せない」など、さまざまな迷いや悩みは出てきてしまうもの。そこで転職エージェントでは、各求職者の経歴などに応じて、人材を求める企業とのマッチングからサポート。求人検索や採用選考に向けた対策なども含めて、転職活動全般のフォローを受けられるため、志望先選びの段階から困っている場合にも安心です。
なお「オーダーメイド転職」では、三重県に特化したエージェントサービスを提供。独自にネットワークをもとに、さまざまな地元優良企業への転職をお手伝いします。製造業からのキャリアチェンジに関しても、もちろん全面的なバックアップが可能なので、もし三重県での転職をご検討であればぜひご活用ください。
工場勤務からのキャリアチェンジでおすすめの職種・業界
では実際に製造業からのキャリアチェンジにあたって、工場での業務で培った経験を活かしやすい、おすすめの職種や業界をピックアップしていきます。
フィールドエンジニア
フィールドエンジニアは、各種製品導入時における設置やセットアップ、トラブル時の修理・復旧などを手がける技術職です。なかでも設備系のフィールドエンジニアであれば、普段から工場の機械操作やメンテナンスなどに慣れている場合には、その経験を活かして活躍できます。特に産業用機器など、今までにオペレーションしてきた機械と似たような製品を取り扱うフィールドエンジニアなら、現職でのノウハウも発揮しやすいでしょう。
営業
特に今までと同じ製造業に携わるメーカー営業であれば、これまでに培った経験から、生産工程や製品などに対する理解度から活躍しやすい一面があります。現職で取り扱う製品と似たような分野のメーカーなら、今までに蓄積してきた業界知識やノウハウを活かして、顧客のニーズに応えた提案などもしやすいでしょう。また営業職では、高度な技術よりも、コミュニケーションなどの対人スキルや対応力が重視されやすい傾向が見られます。高い専門性がなくてもスタートしやすい部分から、未経験者を積極的に採用する企業も多く、新たなキャリアチェンジを目指しやすい職種でもあります。
商品開発
製造業では、商品を生産するプロセスを担うことから、特定の製品分野に関する知見が深まりやすい部分もあります。そこで現職で取り扱ってきた製品分野と、似たような商品に携わる開発職であれば、経験を存分に活かして活躍できるチャンスも。今までに培ってきた知識にもとづくアイデアから、例えば新商品の企画や改良などで力を発揮できる可能性も高いでしょう。「もっとこんな商品だったらよさそう」など、自分なりの考えがありながらも発信できていなかった場合などには、開発職にチャレンジしてみるのもいい方法です。
物流・倉庫業
物流・倉庫業は、決められた納期に合わせて、効率的に作業していくことが求められる仕事です。例えば製造業で生産計画や期限に沿って各工程を進めたり、原料などの在庫管理をしたりなど、商品の出荷準備や保管が中心となる物流・倉庫業でも通ずる部分があります。また適切な人員配置やオペレーションなどによって、生産性やコストパフォーマンスが変わりやすい点も、製造業でも物流・倉庫業でも見られる要素です。このように製造業と業務のプロセスが近い、物流・倉庫業でも、今までの経験を活かして活躍しやすいでしょう。
IT分野
例えばシステム開発では、クライアントのニーズに応じた機能性や画面設計などを手がけることから、例えば製造業で培う課題解決力や論理的思考を発揮できます。また製造業の現場で使われるシステムの需要も増えていることから、今までに工場で生産を担ってきた経験を活かして、顧客の求める製品開発に役立てるチャンスもあります。なおIT分野では、プログラミングなどの専門技術が必要ではありますが、慢性的な人材不足から積極的に未経験採用をしている企業も多数。専門性の高い分野ながら、未経験からのキャリアチェンジがしやすいのも特徴です。
建設分野
規模感は大きく異なりますが、ものづくりの意味では製造業と建設分野でも通ずることから、今までの経験をもとに活躍しやすいでしょう。また製造業で取得するケースも多い、例えばフォークリフト・玉掛け・クレーンなどの免許は、建設の現場作業でも必要とされやすい資格です。こうした専門資格をもとに、新たにキャリアチェンジができる可能性もあります。また建設現場を統括する施工管理では、製造業におけるスケジュール設定や経費削減など、さまざまなマネジメント経験を活かすこともできます。
コンサルティング(人材や経営など)
製造業の現場の実態を把握している点から考えると、例えばメーカーの経営や人材に関わるコンサルティングで活躍できるチャンスもあります。これまでの経験のなかで深めてきた知見をもとに、例えばクライアントの課題解決の提案や、個々の人材に適した企業とのマッチングなどで活躍できる可能性が考えられます。大きなステップアップを目指したい場合には、メーカー系のコンサルティングに挑戦するのもいい方法です。
同じ製造業のままキャリアチェンジする方法もある
もし現在の業務からのスキル向上や昇格などを目指して、キャリアチェンジを考えているのであれば、同じ製造業のまま転職する方法もあります。場合によっては「役職に空きがなく頭打ちになっている」などのケースもあり、経験を活かして同じような分野で転職することで、ステップアップができる可能性も考えられます。転職によって、今までとは異なる製品分野やポジションに挑戦して、キャリアチェンジができることも頭に入れておくのがおすすめです。
まとめ
製造業で培ってきた経験は、さまざまな業界や職種でも活かせるケースが多く、転職によって新たにキャリアチェンジしたい場合にも役立つものです。まずは新しくチャレンジしてみたい仕事では、どのようなスキルが求められるのか、そして製造業で身につけたノウハウをどう活用できるのかイメージしてみるとよいでしょう。製造業からのキャリアチェンジをお考えの際には、ぜひ本記事も参考に、どう転職活動を進めるべきか検討してみてください。