こだわりのファッションアイテムやおしゃれが好きな気持ちを活かして、アパレル業界で働いている場合も多く見られますが、やはり仕事をするうえで避けては通れないのが給与面です。アパレル業界で活躍できる充実感はあっても、思うような収入を得られないと、長く続けていくのはなかなか難しいもの。とはいえ今後もアパレル業界でキャリアを積んでいこうと思うなら、できれば自分の納得できる収入を得つつ、経験を重ねていくのが理想的でしょう。そこで今回は、20代・30代から検討しておきたい、アパレル業界で年収を上げていくための方法をご紹介。おもに「現状からの年収アップを目指したい!」という場合に考えられる、転職を通じて給与を高めるポイントを解説していきます。
そもそもアパレル業界の平均年収はどれくらい?
厚生労働省の統計情報によると、さまざまなブランドを含めたアパレルスタッフ(衣料品販売)の平均年収は361万円でした。(※1)
ちなみにアパレルの他、幅広い分野の販売職全体(卸売業・小売業)における月ごとの平均賃金は、31万9,600円。(※2)年間(12ヶ月分)に換算してみると、約384万円と想定されます。
もちろん勤務先の企業やブランドなどに応じて異なりますが、アパレル業界の傾向として、販売職全体で見るとやや低めになりやすい様子も伺えます。とはいえ、どのデータも正社員やアルバイトなどの雇用形態に関係なく統計されたもので、あくまで目安となるものです。今の自分の収入と見比べてみて、現状でどのくらいの給与水準なのか、参考にしてみてください。
(※1)厚生労働省「job tag」
(※2)厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」
アパレル業界で年収アップを目指すには?転職に考えておきたいキャリアプラン
もし現在の職場で、明確な昇給・評価制度などが設けられているなら、その基準に沿ってスキルアップや実績を重ねて年収アップを図る手段もあります。しかしなかには、昇給自体はあってもかなり少額だったり、場合によっては何年か勤続していても基本給がほぼ変動しなかったりするケースも。そうした場合に、より着実に年収アップを目指す選択肢として、もっと給与水準の高い企業への転職を考えるのがおすすめです。そこで転職を通じて、給与を上げていくのに効果的な方法をご紹介していきます。
経験を活かして役職に就ける職場にチャレンジする
「なかなか給与が上がらない」と悩むケースのなかには、現状で役職のポジションが埋まっており、昇格できない状況にあることも少なくありません。管理職へのキャリアパスが詰まっていて、現場の販売員のままだと、給与がそのまま頭打ちになってしまうパターンも多々見られます。そうした場合には、もし何年か販売現場で経験を積んでいるのであれば、そこで培ったノウハウをもとに転職して役職を目指す方法も考えられます。アパレル業界の求人では、採用段階から「店長候補」などの役職に就く前提で、人材を募集しているものも多数あります。役職のポジションになる分、基本給も高めになっていることが多く、年収アップを目指せるチャンスも。マネジメント経験はなくても、ある程度の現場スキルが身についていれば挑戦できる求人もあるため、年収アップに向けて役職前提となる転職先を探してみるのもよいでしょう。
インセンティブなどの成果に応じた歩合や評価制度が充実した会社を選ぶ
インセンティブなどの歩合や評価制度が手厚く整っている会社なら、自分の頑張り次第で年収アップを目指せる可能性も高くなります。例えば「個人売上の○%を毎月支給」などのインセンティブがあれば、どんどん自分で実績を作っていくことで、その成果はそのまま給与に反映されます。「自分の出している結果と給与が見合っていない」と感じている場合には、こうした実力主義の会社に転職してみるのも一つの方法です。歩合や評価制度にともなって、自分なりの行動によって収入を上げていくことができ、日々の高いモチベーションにもつながるでしょう。
現職よりも価格帯の高いラグジュアリーブランドや外資ブランドに挑戦する
ラグジュアリーブランドや外資ブランドの場合、取り扱うアイテムの価格帯や売上金額が高くなりやすく、スタッフの給与水準も上がりやすい傾向が見られます。もちろん企業によって異なりますが、前提として基本給が高めに設定されていることもあり、転職した入社時から前職より給与が上がるケースも。ただしベースとなる基本給が高くなる分、求められる接客スキルや経験値なども、高度になりやすい部分もあります。転職時には、今までに培ってきたノウハウを活かして、どう活躍できるのか明確にアピールしていくことが大切です。
売上規模の大きいアパレル企業に就職する
例えば取り扱うアイテムの価格帯は中堅レベルでも、企業全体としての売上規模が大きいと、それにともなって給与水準が高めになっているケースも見られます。できるだけ収入面を重視したいのであれば、企業の売上規模を見て転職先を探してみるのもいい方法です。今までに経験してきていないジャンルも含めて、幅広い視野で転職先を選んでみるのもおすすめ。特定の分野に絞らずに検討してみることで、入社時からの給与アップが見込める転職先が見つかる可能性も高くなります。これまでにないスタイルやテイストのアパレル企業も選択肢に入れつつ、売上規模の大きさにも注目して転職先を考えてみてもよいでしょう。
本社勤務の職種にキャリアチェンジする
実際の店舗に立つ現場職だけでなく、オフィスに勤務する本社職として、アパレル業界で活躍する方法もあります。例えば、商品の買い付けをするバイヤーや、自社ブランド商品の開発を手がけるMD(マーチャンダイザー)、売り場作りのディレクションをするVMD(ビジュアル・マーチャンダイザー)など。店舗で直接的に販売業務を担当するわけではないものの、自社の事業を動かす重要ポジションで、アパレル業界では代表的なキャリアパスでもあります。販売現場でしっかりと確かなノウハウを培っている場合には、その豊富な経験を活かして、転職を機にアパレル業界の本社職に挑戦してみるのもおすすめです。
アパレル業界での転職時に給与を上げるためのコツ
では実際に、アパレル業界での転職に向けて、きちんと入社後の年収アップを実現させるために押さえておきたいコツも見ていきましょう。
希望する勤務条件の優先順位を整理しておく
転職によって年収アップを目指したい時には、まずはどの勤務条件を優先したいのか整理しておきましょう。あまりに希望が多すぎても、転職先の選択肢が狭まってしまい、なかなか思うような職場に出合えない可能性も。また何かしらの希望条件を少し変えてみることで、似たような仕事内容でも、より給与の高い転職先が見つかるケースも多くあります。例えば、「月給□万円あれば、休日は○日でも問題ない」「取り扱う商品ジャンルを変えてもいいから給与を上げたい」など。収入面の代わりに、他の勤務条件はどうすべきなのか、あらかじめ検討しておくことをおすすめします。
月給や年俸などの基本給の金額は入社前に交渉する
もし希望年収額のイメージがある程度できていれば、面接時や内定後など、入社前に交渉しておくのがベストです。仮に想定する給与額よりも低いまま入社してしまうと、そこから昇給していくには時間がかかってしまうケースも。きちんと面接で自分のスキルや実績がアピールできていれば、給与額を交渉できる余地は十分にあります。例えば内定後の承諾確認時などに、「入社条件についてご相談したいです」というように、給与面で検討してほしい旨を伝えましょう。その際には、前職ではどれくらいで、なぜその希望金額を求めるのか(入社後のポジショニングや貢献性など)、明確に提示することも重要です。
転職エージェントサービスを活用して相談する
なかなか年収アップを目指せそうな職場が見つからなかったり、そもそもどのように転職活動をしたらいいのか迷ったりする場合には、エージェントサービスを活用する方法もあります。転職エージェントでは、各求職者にマッチした求人紹介から、書類選考や面接に向けた対策まで、無事採用に至るまでの過程を全面的にバックアップ。給与面の交渉も、転職エージェントの仲介によって代行してもらうことが可能です。自分だけで転職活動を進めるのが不安な時には、転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
なお「オーダーメイド転職 」では、三重県に特化したエージェントサービスを提供。独自にネットワークをもとに、アパレルをはじめとした幅広い業界における、地元優良企業とのマッチングをサポートしています。求人のご案内から選考時のアドバイスまで幅広くフォローしているので、もし三重県で転職をご検討であれば、ぜひご活用ください。
まとめ
アパレルスタッフとして活躍するなかで、なかなか給与が上がらずに悩んでいる場合もあるかもしれませんが、考え方次第で年収アップを目指す方法はいくつもあります。特に同じアパレル業界内での転職では、今までに培った経験やスキルが評価されやすく、きちんと自分なりの強み・実績などをアピールできれば年収アップができるチャンスも大いにあるでしょう。また販売現場で身につけてきたノウハウを活かして、転職を通じてポジションアップを図ることで、給与を上げられる可能性もあります。このようにアパレル業界で年収アップしていく手段は幅広くあるので、ぜひ本記事も参考に、自分にとってベストなキャリアプランを検討してみてください。