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交替勤務とは?働くメリットとデメリット

交替勤務とは?働くメリットとデメリット

一般的な働き方といえば、基本は規則的に決まった時間で出退勤するイメージが強いかもしれませんが、実際には各業態に応じてさまざまな労働形態が存在します。そのうち深夜までの長時間にわたったり、24時間無休だったりする業態でよくみられるのが、交替勤務と呼ばれる労働形態です。交代勤務は少し特殊な働き方となるため、通常の固定勤務にはない利点や注意しておきたい難点も。そこで今回は、交替勤務の大まかな概要をはじめ、働き方としての具体的なメリットやデメリットを解説していきます。

交替勤務では一定時間ごとに従業員が入れ替わる

交替勤務

交替勤務とは、時間帯ごとに分けて、各従業員が入れ替わりながら業務を遂行する労働形態です。人員をローテーションさせることで、職場全体として、長時間や無休の営業・稼働をおこなう場合に取り入れられています。

労働基準法では各従業員の労働時間は原則1日8時間・週40時間とするルールがあり、例えば24時間営業の業態だとしても、法律上の上限を超える勤務はさせられません。そこで交替勤務により、個々の労働時間そのものは1日8時間・週40時間に収めつつ、各時間帯で人員を入れ替えることで各従業員の法的な上限を超える事業形態の運営が可能になります。例えば24時間365日営業のコンビニやホテルなどでは、こうした交替勤務を採用しているのが一般的です。

交替勤務の形態でよく見られるのは2交代と3交代の2種類

企業によって交替勤務の形態は異なりますが、よく取り入れられやすいのは、大きく分けると2交代と3交代の2種類があります。

まず2交代とは、2つの時間帯で人員を入れ替えて営業・稼働をする勤務形態で、日勤と夜勤に分かれるのが一般的です。例えば、職場全体としての稼働時間が「10時~翌4時」とします。「10時~19時(休憩1時間)」と、「19時~翌4時(休憩1時間)」というように、シンプルに実働8時間ずつで区切って交替するケースもあります。また病院・介護施設・警備会社など保安や人命に関わる年中無休の業態では、2時間以上の仮眠や休憩を含める代わりに、実働自体は1日8時間でもそれ以上の拘束時間となる場合もあります。保安関連の業態は、緊急時などに向けた待機になることも多く、こうした1人あたりの拘束時間を長くするパターンが見られます。もしくは24時間稼働の工場や店舗などでは、日勤帯と夜勤帯の2つに分けつつも、日中と深夜のそれぞれでも複数のシフトに細かく分けてローテーションしていることもあります。

なお3交代では、3つの時間帯で人員を入れ替えて、日勤・準夜勤・夜勤としてシフトを回していくのが通常です。3交代の場合は、実働8時間ずつに分けて入れ替わると、ちょうど合計で24時間稼働にできるのが特徴。例えば「9時~18時(休憩1時間)」「17時~翌2時(休憩1時間)」「翌1時~翌10時(休憩1時間)」など、3つの時間帯を組み合わせることで、24時間を網羅できる勤務形態です。こちらも2交代と同様に、24時間365日の営業や稼働に対応できます。

交替勤務ならではの働きやすいメリット

メリットのイメージ図

ではここまでに見てきた交替勤務では、どのような働きやすさがあるのか、具体的なメリットをまとめていきます。

次の人に引き継ぎができるため残業になりにくい

どの従業員も同じ時間帯で勤務していると、個々で抱えている業務が終わらないと、なかなか退勤しにくいケースも。例えば、終業時間のすぐ間際に急ぎの対応が入ってしまった場合、固定勤務だと残業になりがちです。一方で交替勤務なら退勤時間に業務が残ってしまっても、次の時間帯に出勤する人に引き継ぐことができるため、残業になりにくいメリットがあります。よほどの業務繁忙だったり、引き継ぎがうまくできなかったりするパターンを除けば、残業が発生しにくいのも交替勤務の特徴です。

深夜勤務になれば割増手当で賃金が高くなりやすい

労働基準法では、22時~翌5時の深夜帯においては、通常の賃金に対する割増手当が発生する規定があります。ちなみに深夜勤務の割増率は、基本給×1.25倍。例えば時給1,200円を基本給とした場合、深夜帯に勤務した分は、時給1,500円で換算されることになります。もし交替勤務で夜勤が入るのであれば、日勤だけで働くより稼ぎやすい利点もあります。

週末を含むシフト制なら平日に休むことが可能

週末休みの固定勤務ではなく、土日を含めた交替勤務では、シフト次第では平日に休めるのもメリットです。平日休みにできれば、例えば土日だと空いていない役所・銀行・病院などにも行きやすく、例えば所用のために有休を取るなどの手間も省けます。また平日の休みを活用すれば、週末に混雑しやすいレジャースポットに行っても比較的空いていることが多く、余暇を満喫しやすいのも利点でしょう。

日勤と夜勤のシフトの空きをうまく活用できるケースもある

仮に交替勤務で、夜勤と日勤のどちらのシフトもある場合。もし日勤の次のシフトが夜勤となれば、その日の夕方から翌日の夜まで時間が空くことになります。場合によっては次のシフトまで、ほぼ丸一日近く時間が空くケースも考えられます。例えば仕事終わりから、夜遅くまで友人などとの予定があっても、翌日の出勤に響きづらい勤務パターンもあるのがメリット。勤務形態次第では、各シフト間の空き時間を使って、プライベートの予定を組める可能性もあります。

通勤時のラッシュを避けやすい

例えば交替勤務により、一般的な日中の労働時間から少しずれるタイミングの出勤や退勤になることもあり、通勤ラッシュに被らずに通えるケースもあります。もちろんシフト次第ではありますが、満員電車や渋滞などのストレス感が避けやすくなる可能性もあるのは、交替勤務の大きなメリットです。

交替勤務で注意しておきたいデメリット

「デメリット」のイメージ図

一般的な固定勤務とは働き方が変わってくる分、気を付けておきたいデメリットもいくつかあります。交替勤務の職場を検討する際には、以下のような点があることも十分に考慮しておきましょう。

生活リズムが安定しづらい

交替勤務では、シフトごとに勤務時間帯が大きく変わるケースも珍しくありません。なかには日勤と夜勤が混ざる混合勤務もあり、どうしても生活が不規則になりやすい一面も。自分なりに適した生活パターンを探しつつ、どのように休むとリフレッシュしやすいのか、体調管理には十分に注意する必要があります。しっかりとした睡眠はもちろん、健康的な食事などにも配慮しながら、体調を崩さないような生活習慣を心がけることが重要です。

プライベートの予定が組みづらい一面がある

例えば周りの家族や友人などが一般的な固定勤務の場合、自分が交替勤務だと周囲との生活パターンが大きく異なるため、スケジュールが合わせづらくなる部分もあります。お出かけや旅行などに行く予定をしたくても、仕事の関係上から、なかなか日程が組めない可能性もあります。有給休暇をうまく活用するなど、少し工夫しながら、早めにプライベートの計画を立てることも大切です。

家族などとの共同生活には十分な配慮が必要

お出かけなどの予定が立てづらいのと同様に、交替勤務によって家族などとの生活パターンがずれてしまうと、一緒に過ごせる時間が減ってしまう可能性も。また共同生活のなかで個々の生活パターンが異なると、例えば夜勤から帰ってきた物音で家族を起こしてしまうなど、日々のストレス感につながってしまうケースもあります。なるべくコミュニケーションを意識したり、それぞれの生活リズムを尊重したりなど、お互いに心地よく過ごせるような配慮も必要です。

通勤時に公共交通機関が利用できない可能性がある

仮に交替勤務で夜勤になり、深夜や早朝の出勤・退勤となる場合には、通勤に公共交通機関が使えないケースもりあります。もし交替勤務のシフトで、深夜や早朝にかかりそうな時には、車・自転車・徒歩などの通勤手段も検討しなければなりません。公共交通機関を利用せずに通えるのか、あらかじめきちんと確認するようにしましょう。

まとめ

交替勤務は、いくつかの時間帯でローテーションしながら働く方法を指し、一定ではなく日ごとに出勤のタイミングは変わってくるのが通常です。また曜日が固定されていないことが多く、例えば週単位や月単位でシフトを申請できるケースも。シフト希望が出せる場合には、比較的柔軟な働き方ができる可能性もあります。さらにその他にも、交替勤務には「残業になりにくい」「夜勤なら割増手当で稼ぎやすい」などのメリットも多数。一方で生活パターンが安定しない点から、特にプライベートの過ごし方で注意しておきたい部分もあります。どのような労働形態にもいえることですが、いずれにしても働き方のメリット・デメリットはどちらも存在します。交替勤務の職場をお考えの際には、ぜひ本記事も参考に、自分自身にとって適した働き方なのかじっくり検討してみましょう。