せっかく日々前向きに努力していても、給料が上がらないと結果が認められていない気がしますし、だんだんと意欲も湧きづらくなってしまうのは当然のことです。思うような収入が得られないのは生活的にも厳しく、場合によっては転職したほうが安定できる可能性もあります。とはいえ給料が上がらないからといって、すぐに転職を決めてしまうのは危険。理想どおりの転職が叶うとは限りませんし、給料が上がらない理由次第では、そのまま現職を続けて収入アップができるケースもあります。そこで今回は、給料が上がらない時に考えられる原因や、転職によって解決できるパターン例を解説していきます。
「なぜか給料が上がらない」と感じる時に見直したいポイント
なかなか給料が上がらないと感じる時には、まずはその理由を考えてみるのが得策です。そもそも給料が上がらない原因を見極めることで、転職しなくても改善できる可能性もあります。では給料が上がらない場合に、改めて見直しておきたいポイントから見ていきましょう。
社内の給与テーブルや評価制度を把握できているか
社内に明確な昇給・昇格基準がある場合、その内容に沿った仕事ぶりが見られないと、なかなか給料には反映されづらいでしょう。そのためどうすれば昇給・昇格の基準に達するのか理解できていないことで、給料につながっていない可能性もあります。
例えば「○○の業務で、△△の対応ができる」など、各項目の基準が具体的に設定されているケースも珍しくありません。そしてその基準に合った行動ができたり、結果を出せたりすれば、給料が上がることも考えられます。そもそも社内の評価基準を把握していないがゆえに、給料アップに直結する動きができていないこともあるので、まずは自社の制度を確認してみるのもおすすめです。
給料につながる成果や実績を出しているか
前述にもあるように、会社からの評価を受けられなければ、給料アップは難しいのが現実です。そこで大前提として、会社の事業に貢献するような成果や実績を出せているのか、自分なりに振り返ってみることも重要でしょう。
例えば営業の売上などの数値的な結果はもちろん、業務遂行のレベル感や対応できる担当範囲なども、きちんと個人の能力として認められて給料に直結する可能性も。自分自身の働く姿勢や取り組みをもっとレベルアップさせることで、給料に反映されるケースも考えられます。そもそも自分がどのようにして会社の戦力になってきたのか、まずは自己分析してみるのもよいでしょう。
会社が求める能力レベルに達しているか
当然ながら、対応できる業務内容に応じて貢献度も変わってくるため、自分自身の担当範囲が広がらなければ給料にも反映されにくいケースも少なくありません。なかには勤続年数に合わせてベースアップする会社もありますが、もし自分の担当している仕事内容が何年も変わっていなければ、なかなか給料は上がらないことも珍しくないでしょう。より多くの業務に対応できるようになれば、給料アップにつながる可能性もあるので、自分のスキルが十分なのか見直すことも大事。場合によっては、資格や社内検定の取得など、スキルアップを通じて給料が上がるケースも考えられます。特に資格取得などの明確なスキルアップは、手当などで加算されることもあるため、社内で一度確認してみましょう。
自分の出した結果が上司などにうまく伝わっているか
たとえ会社に貢献した結果を出していたとしても、それが上司などに伝わっていなければ、正当な評価は受けられません。もちろん評価されていない分、給料にも反映されないので、そもそも自分の仕事ぶりが正当に認められているのか確認してみるのも重要です。例えば日報や面談など、コミュニケーションツールや話せる機会を活用して、自分の成果を報告するようにしてみる方法も。もし数値化して資料にできれば、交渉材料にできる可能性もあります。ただしなかなかうまくアピールできない時には、素直に給料面で悩んでいることを打ち明けて、どう対処すべきか相談してみるのもよいでしょう。場合によっては、そのキッカケから正しい評価を受けられるようになったり、給料アップに向けた具体的な手段を教えてもらえたりなど、きちんと解決につながるケースもあります。
個々の実力が給料につながりやすい制度なのか
例えば年功序列の給料制度なら、社歴や年齢に応じて安定的にベースアップしやすいものの、何年も勤続しないと大幅な給料アップは見込めないことも。なかなか実力に見合っていないと感じる時には、そもそも会社の給料制度が自分自身に適していないケースも考えられます。決して給料が上がらないわけではないものの、会社の仕組みとして昇給の機会や比率が少ない可能性もあるため、改めて社内制度を見直してみるのもいいかもしれません。
転職して給料アップが見込めるパターンとは?
ここまでに見てきたような原因であれば、自社に残って給料を上げられる可能性もありますが、なかには転職しないと厳しいパターンもあります。では実際に、どのような場合に転職したほうがいいのか、具体的な事例を見ていきましょう。
そもそも現職の給料水準が平均に比べて低い
大前提として、業界ごとに給料の相場には違いがあり、そもそも給与水準が低い職に就いている可能性もあります。現職で考えた時に、業界全体としての給与水準が低いようであれば、比較的給料が高めになりやすい方向性に転職するのもいい方法です。
ちなみに国税庁が実施した「令和5年分 民間給与実態統計調査」(※1)によれば、給与水準の高い業界例として、電気・ガス・熱供給・水道業や金融業・保険業、情報通信業が挙げられます。反対に給与水準が低くなりやすいのは、宿泊業・飲食業やサービス業との結果も出ています。仮に同職種のままでも、こうした給与水準の高い業界に転職すれば、給料アップができるケースも考えられるでしょう。
もしくは同業のなかでも、現職の会社自体の給料水準が低いパターンもあります。例えば、同じ業界で他の企業の採用情報をいくつかチェックしてみるのがおすすめ。今の自分と似たような業務内容の求人でも、給料が高めになっている傾向が見られる場合、平均に比べて現職の会社の給料水準は低いといえます。そうした場合には、転職したほうが給料アップにつながりやすく、即効性も高いでしょう。
会社の業績が悪化している
会社として十分な利益が出なければ、従業員にも反映されないため、どんなに成果を出しても給料につながらない可能性は高いといえます。もし会社の売上などが低迷している様子が見られるなら、転職して給料を上げるほうが効果的な場合もあるでしょう。個人の実力ではなく、会社原因で給料が上がらないようであれば、転職して給料を上げる方法を検討してみるのがおすすめです。
仕事が増えるのに給料が上がらない
自分の業務範囲が広がっているにも関わらず、給料が上がらないと感じる場合には、転職を考えてみるのも一つの方法です。場合によっては会社の評価基準に沿った仕事ぶりではないため、給料に反映されていないケースもありますが、個々の実力や成果が正しく認められていないパターンもあります。もちろん社内の評価基準や制度を確認してみる必要はありますが、そのうえで給料が上がらない原因がわからなければ、会社の仕組みが問題になっている可能性も。そもそも社内の仕組みとして給料が上がりにくいのであれば、もっと基本給などが高い会社に転職したほうが、確実な収入アップが目指しやすいでしょう。
昇給や昇格の社内制度がうまく確立されていない
場合によっては、給料アップに向けた規定や基準などを社内で設けておらず、上司の主観などで昇給・昇格を判断しているケースもあります。そうした場合には、給料を上げるための手段が明確でないため、きちんと制度が確立された企業に転職したほうが収入アップには期待しやすいでしょう。社内で給料アップができる道筋ができていなさそうなら、転職を考えてみるのもいい方法です。
自分の求める給料制度と社内の規定が適合していない
個人的には実力主義で成果に応じた給料を求めていても、例えば先ほども出てきたように会社の制度として年功序列になっていると、収入を上げづらいと感じてしまうケースもあります。企業風土や社内制度が合っていないがゆえに、給料がなかなか上がらない場合には、転職して収入アップを目指すほうが効果的でしょう。成果や実績による給料を求めるのであれば、仮に営業職なら売上にともなうインセンティブがあるなど、自分の考えに合った制度がある企業を選ぶのがベストです。より自分の本領を発揮して、その結果が認められやすい転職先を探してみるのもいいかもしれません。
まとめ
今回見てきたように、給料が上がらない理由はさまざまですが、その原因によって転職すべきかどうかは変わってきます。もし自分なりの取り組みや仕事の仕方を見直すことで給料が上がりそうなら、現職を続けてじっくり収入アップを目指す方法が考えられます。また会社の給与水準や状況、仕組みなどによって給料が上がりそうにないのであれば、転職したほうが収入アップはしやすいでしょう。給料が上がらずに悩んでいる場合には、ぜひ本記事も参考に、より最適な解決策を検討していきましょう。